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【関東学院大学】「越境」と「協働」を指針に掲げる関東学院大学の「社会連携教育」とは

SDGsを意識しながら企業や自治体、地域と連携する新たな学び

  • 大学・短期大学進学 2021年 12月15日

越境し協働する大学―。130年以上の教育の歴史を持つ関東学院大学が、新たに掲げる教育指針だ。

SDGsを意識した「社会連携教育」に力を入れる小山嚴也新学長は、変化が加速するアフターコロナの時代に向け、どのような人材を育成しようとしているのか。

そして、2023年開校予定の「横浜・関内キャンパス」では、どのような教育が始まるのか。詳しく話を伺った。

聞き手・構成 河村卓朗(SINRO!編集長)

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SDGsのゴールを意識した教育を展開

―関東学院大学は、以前から企業や自治体、地域との連携に力を入れています。最近、力を入れている取り組みについてお聞かせください。

 関東学院大学は、11学部5研究科からなる総合大学として、130年以上に及ぶ教育・研究の実績を積み上げてきました。そして今、新たに掲げる教育コンセプトは、「越境し協働する大学」です。

 A I、IoT、5 G、ブロックチェーンなど、私たちの社会生活を支える技術革新が加速しています。一方で、世界に目を向けると格差社会、食糧不足、資源の枯渇、環境問題など、次世代を生きる若者たちの前にはさまざまな課題が立ちはだかっています。

 これからの社会で活躍するためには、一企業・一個人の力では解決が難しい大きな課題に、周囲と協働しながら立ち向かう力が求められます。

 そこで関東学院大学では、企業や自治体、地域とのネットワークを活かした「社会連携教育」に力を注いでいます。これは、SDGsの17のゴールを意識した取り組みにも合致します。

 社会は今、「越境する時代」です。大学においても社会と連携しながら、多様な人々との出会いの場を学生たちに提供すべきなのです。

 

コンビニの棚から学びが見つかることもある

―「社会連携教育」とは具体的にどのような取り組みなのでしょう?

 関東学院大学は、2014年に社会連携センターを開設し、「社会連携教育」を進めてきました。

 課題は、教室の中ではなく、キャンパスの外にあります。教室で「新聞を読んだか?」と語りかけるより、学生と一緒に大学の外に出て、コンビニの棚を見ることから始まる学びもあると思うのです。

 学生たちは、社会で課題を発見し、教室でその課題を解決するために必要な知識や技術を身につけます。それを何度も繰り返すことで、学びの意味を理解していくのです。

 この社会連携で関わる相手はビジネスマンや地域住民、外国人など、学生たちにとって将来社会に出てから出会う人ばかりです。学生の頃から年齢や価値観の異なる人々と接しながら、社会の課題に対して「問いを立てる」経験を積むことで、どんなに時代や社会が変わっても対応できる力が身につきます。

 「社会連携教育」は、こうした人材を育成するための取り組みなのです。

 その一例が、経営学部が取り組む「K-biz」です。三菱UFJ銀行、電通、KADOKAWA、京浜急行電鉄など、全11社にサポーター企業となっていただき、各企業が提示する経営課題に向き合う、プロジェクト型学習を行っています。

 ほかにも、人間共生学部共生デザイン学科の学生たちが、神奈川県横須賀市追浜地区にある空き家を改修し、地域住民とともに利活用するプロジェクトに取り組んだ事例もあります。

 さらに、11学部の専門性を活かした学部横断型プロジェクトも盛んです。最近も理工学部生命科学コース、経営学部が共同して、三浦半島で野菜の機能性を高め、ブランド化するプロジェクトがスタートしました。

 

「横浜・関内キャンパス」を新たな社会連携の拠点に

―2023年に新たにオープンする「横浜・関内キャンパス」も話題になっていますね。

 「SDGs未来都市」横浜の玄関口であるJR関内駅前に誕生する「横浜・関内キャンパス」は、社会連携教育の新しいプラットフォームになるでしょう。

 地上17階、地下2階の都市型高層キャンパスには、法学部、経営学部、人間共生学部コミュニケーション学科が移転します。建物内は、学部ごとにフロアを分けず、分野横断的交流を促進します。私はこの新キャンパスを研究・教育の実証実験の場と位置づけています。

 さらに、関東学院大学の全学生が利用できる新たな学びの拠点にしたいという思いもあります。関内は官公庁施設や企業が集まる横浜の中心地です。また近隣には、山下公園や大通り公園、元町、中華街、伊勢佐木町など、学生が課題を見つけられるスポットも豊富にあります。

 フィールドワークの後は、「横浜・関内キャンパス」のラウンジに集合して、仲間とディスカッション……そんな学びのシーンを実現したいですね。

 

■横浜・関内キャンパス イメージ

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2023年に開校する「横浜・関内キャンパスのコンセプトは、知の交流拠点「オープンナレッジポート」。

学生だけでなく、企業・自治体・市民などに開かれた教育プログラムを設置する予定だ。

 

―昨年から導入した新しい入学選抜方式で、受験生のどのような資質を評価したいとお考えですか?

 大学の学びに求められるのは、身の回りの課題に対して「問いを立てる力」です。その問いの答えにたどり着くためには、幅広い教養が必要になります。

 そこでベースとなるのは、やはり高校までの勉強です。実直に高校までの勉強を積み上げてきてください。それが大学での学びの共通言語になるのです。

 大学は最先端の「知」が集まる最高学府であり、私たち大学の教員は「知」の担い手である研究者です。その道のプロである研究者が語る「知」は難解かもしれません。受験生の皆さんには、「半歩」背伸びをして、その「知」に触れてみてほしいのです。そして、魅力のある学びを見つけてみてください。

 保護者の皆さんは、お子さんが自分の将来に向けて、「半歩」踏み出そうとしたとき、その背中をそっと押してあげてほしいと思います。そして、関東学院大学の教育・研究がお子さんの進路選択に合致するならば、教職員がその「半歩」を全力で受け止め、成長の原動力につなげていきます。

 

お話を伺った方
関東学院大学
小山 嚴也 学長

 

⇒『進路の広場』で関東学院大学を見る

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