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【東海大学】世界を知り、自分を磨く東海大学の独自プログラムに迫る

「海外研修航海」と「ToCoチャレ」が学生の主体性を後押しする

  • 大学・短期大学進学 2025年 11月27日

東海大学では、主体的にチャレンジする学生を応援するため、さまざまな教育プログラムが展開されている。

代表例が、約1カ月かけて諸外国を巡る「海外研修航海」と、学生の挑戦を後押しする「ToCoチャレ」だ。

学びを実践へとつなげ、学生の成長を促す独自の取り組みについて、広報を担当する学長室部長の岡田 工教授に話を聞いた。

聞き手・構成 河村卓朗(SINRO!編集長)

1カ月以上の船上生活
「海外研修航海」とは何か?

―貴学の独自プログラム「海外研修航海」について教えてください。

海外研修航海は、本学が保有する海洋調査研修船「望星丸」に乗船し、1カ月以上の船上生活と諸外国への寄港を通じて学びを深める教育プログラムです。1968年に第1回を実施して以来、2026年には第55回を迎え、これまでに約3800人の学生が参加してきました。

閉ざされた船内での共同生活は、協調性や責任感を培う場となります。さらに、訪問先で異文化や自然環境に触れることで、学生たちは広い視野と柔軟な思考を養います。学年や学部を問わず参加が可能で、大学院生や医学部の学生が加わることもあります。文系・理系を越えた交流が生まれるのも大きな魅力です。

一方で、海洋学部海洋理工学科航海学専攻の学生は、船員としての業務を担いながら研修に参加します。乗客ではなく、船の運営に関わることで、より実践的な学びを得られるのです。

事前研修と直前研修で準備を整え、例年2月中旬に出航します。航海は3月末まで続くため、4年生の場合は船上で卒業式を迎えます。卒業証書の授与やパーティーが船上で行われる光景は特別で、「人生の節目をここで迎えたい」と最終学年での参加を希望する学生も少なくありません。

参加には選考を通過する必要があり、倍率の発表はされていませんが、毎年多くの学生さんが応募されています。成績などの書類審査も行われますが、最も重視されるのは「なぜ参加したいのか」という動機を面接でしっかりと語れるかどうかです。主体的に挑戦しようとする学生を受け入れる仕組みとなっています。

海外研修航海:洋上卒業式
海外研修航海:洋上卒業式
―航海中の学びや船内での過ごし方について教えてください。

船内の生活は規則正しく、食事、授業、自由時間、行事が組み込まれたスケジュールに沿って進みます。同乗する教員によって内容は変わりますが、「洋上講座」として、深海魚を研究する海洋学部の先生や、AIを専門とする情報理工学部の先生から直接学ぶ機会があります。

さらに、船長や機関長による講話も行われ、船そのものが学びのフィールドになります。サッカーやバスケットボールなどのスポーツイベントも開催され、航海中にはイルカやクジラと遭遇することもあり、日常では得られない体験が待っています。

また、学生たちは寄港予定地の文化や歴史、通貨や生活習慣について事前に調べ、船内でプレゼンテーションを行います。その知識を持って現地を訪れ、実際の体験を通じて理解を深めるのです。

例えば昨年度では、パラオ共和国で大使から直接、日本とパラオの関係について学びました。第二次世界大戦の激戦地・ペリリュー島を訪問し歴史を肌で感じたほか、日本統治時代を知る高齢者と日本語で会話したり花札で遊んで交流したりする場面もありました。

海外研修航海:夕食会
海外研修航海:パラオのJICAの方々と夕食会

さらに、父島ではウミガメの子どもを海へ返す保全活動に参加するなど、環境教育も展開。寄港地それぞれでの滞在は2泊3日程度ですが、その短期間に文化・歴史・自然を濃密に体験することができます。

海外研修航海:パラオでカヤック
海外研修航海:パラオでカヤック

船内生活は7〜8人の生活班で営まれ、部屋は男女別に分かれています。一方で事前学習発表は男女混合チームで行うこともあるため、打ち合わせや準備は船内の共用スペースで進められます。また、船には医師と看護師が常駐し、大学病院との連携体制も整っているため、健康面でも安心して過ごせます。

―30数日に及ぶ海外研修航海に約30万円で参加できる理由を教えてください。

本学では、「挑戦する学生を応援する」という理念に基づき、大学の予算で後押しすることで、参加費を約30万円に抑えることができています。経済的な制約に左右されず、多様な学生が参加できるようにしているのです。

海外研修航海:ダンス交流
海外研修航海:ポンペイの学生とダンスで交流

学生の「やってみたい」を支援
共に創る、友と挑むプログラム

―海外研修航海以外にも、学生の挑戦を応援するプログラムはありますか?

代表的なのが、学生による共創と挑戦を支援する「ToCoチャレ」です。これは、学生の「やってみたい」という思いを形にする教育プログラムで、自分の考えたプロジェクトが採択されれば活動資金や拠点の提供、研修、教職員によるアドバイスといった多方面からの支援を受けられます。

テーマは「コトつくり」「モノつくり」「大学つくり」「自分つくり」の4分野。地域連携プロジェクトからソーラーカー、ロケット開発、鳥人間コンテスト出場に至るまで、多彩な挑戦が展開されています。こうした経験は就職活動の場でも説得力を持ち、自らの言葉で語れる強みとして活かされます。

「ToCoチャレ」4つのプロジェクト
―最後に、受験生や高校生へメッセージをお願いします。

2026年度の大学案内のテーマは「ウズウズしてる?」です。これは、新たな挑戦をしたくて「ウズウズ」している学生を歓迎すると同時に、まだ自分の進む道を探している学生にも門戸を開いているというメッセージです。

本学は、制度や環境を「使い倒す」くらいの意欲を持つ学生を応援します。海外研修航海やToCoチャレといったプログラムは、そのために用意された舞台です。まずはオープンキャンパスで先輩たちの体験談に触れ、大学生活のイメージを膨らませてみてください。きっと、心の奥に眠る「ウズウズ」が芽吹くはずです。

お話を伺った方

東海大学 学長室 部長(広報担当)
岡田 工 教授
博士(工学)。2023年4月より理系教育センター教授。

⇒『進路の広場』で東海大学を見る

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