• ホーム
  • 進路コラム
  • 【桜美林大学】高大接続プログラムで受験生を伸ばす 桜美林大学の多彩な総合型選抜とは?
  • 進路コラム
  • スペシャルインタビュー

【桜美林大学】高大接続プログラムで受験生を伸ばす 桜美林大学の多彩な総合型選抜とは?

探究活動から受験前学習プログラムまで、高大接続を意識した入試を展開

  • 大学・短期大学進学 2024年 08月02日

「学群制」や「メジャー・マイナー制度」といった教育体制によって、特定の分野だけでなく隣接した学問も広く学ぶことができる桜美林大学。

学生の「好き」や「興味」の可能性を開く環境が用意されている。

入試の場では、特に高大接続を意識した総合型選抜に力を入れ、受験生の取り組みや将来の目的意識を最大限に評価。大学の学びにつながる設計だ。

入学部の高原幸治部長に、そうした入試の特長について話を伺った。

聞き手・構成 河村卓朗(SINRO!編集長)

受験前学習プログラムで基礎学力を担保する

―2024年度入試を振り返って、これまでとの変化はありましたか?

受験生数の減少によって早くに志願者を確保したい大学側と、安定志向で現役合格を目指す受験生側の双方の思惑があり、全国的に一般選抜から年内入試へと志願者が移行している傾向にあると思います。本学においても移行の流れは顕著で、3年連続で総合型選抜と学校推薦型選抜の志願者は増加しています。

ただその一方で、前述の背景から“易きに流れている”印象を持たれがちな年内入試でも、桜美林大学においては受験生のレベルは下がらずにむしろ高い傾向があります。例えば、総合型選抜を受験する生徒の評定平均値の全体平均はここ3年間、ずっと3.6を越えています。

本学の総合型選抜には自己申告書や課題図書など、コツコツ準備して挑まなければいけない課題があるのも一定のレベルを担保できている理由のひとつと考えます。易きに流れるよりは受験生を多面的に評価するための堅実な入試を続けていますが、その結果、「大学で〇〇を学びたい!」という高い意欲を持って入学し、充実した学生生活を送っている学生が多い傾向です。

―2024年度入試の総合型選抜では、新たに「基礎学力方式」も導入されました。この結果と手応えについてお聞かせください。

基礎学力方式は、高校時代に学んだ教科・科目を通して身につけた基礎学力(基礎力検査)と、大学で学ぶ意欲(志望理由書と面接)を組み合わせて総合的に評価する方式です。

もともとこの入試方式を導入するにあたっては、高校の教育現場と高校生からのリアルな声が原点にありました。総合型選抜では部活や探究活動、ボランティア活動などを含め、高校時代に取り組んできたことを多面的に評価する入試方式が一般的です。

しかし、コロナ禍の影響によってそうした独自の活動や経験が失われてしまった世代が現在の受験生たちでした。その中には基礎学力を軸に評価してほしいという層が一定数いることも深く受け止め、多様な受験生に門戸を開くために新方式を加えました。

結果的には受験生のニーズにうまく合致し、多くの志願者が集まりました。また、この結果を受け、2025年度入試では基礎学力方式を2日程に拡充します。

基礎力検査科目は「英語+国語」か「英語+数学」のいずれかを選択します※。

※志望する学群により選択条件あり

英語では外部試験のスコアも利用可能で、英検の場合は準2級から活用できます。他大学との併願も可能で、入学金(10万円)の支払い締め切りは私大一般選抜の合格発表が終わるタイミングである翌年2月18日まで延長しました。

―基礎学力方式に対応した受験前学習プログラムも提供していますね。

これは教育ICTサービスの「Classi」と連携した無償提供のプログラムで、基礎力検査に向けて高校2年次修了までに学習する基礎的な範囲を勉強してもらえるものです。例えば塾に通えない受験生にも学習機会を与えて公平性を担保するという意味でも、ぜひ活用していただきたいと思っています。

桜美林大学の『受験前学習プログラム』

総合型選抜では自己変容の軌跡を重要な評価軸として掲げる

―以前から実施してきた「総合評価方式」と「探究入試(Spiral)」を含めると、3つの総合型選抜を展開しています。改めて、桜美林大学の総合型選抜で重視している評価軸や特徴があれば教えてください。

本学の総合型選抜では、まずは高校3年間に経験したことを振り返り、失敗や改善した経験、成長や努力の成果など、自己変容の軌跡に気づいてもらうことを重要視しています。社会に出て活躍する人材の多くは、常にリフレクションして、自分が今どこに立っているのか、将来どこへ辿り着きたいのかを考え続けています。

それは就職活動にも通じますし、キャリア形成においても欠かせない。そうした自己分析と目的意識を持つ習慣を、総合型選抜で評価したいと思っています。

―高校の「総合的な探究の時間」の活動をサポートする「ディスカバ!」についてもお聞かせください。

本学が2019年から実施している「ディスカバ!」は、中高生の主体的な学びや探究学習、キャリア形成を支援するプログラムです。プログラム参加者は、大学の教員が監修したテーマに沿って探究活動を行い、最後にはプレゼンテーションにも挑戦します。

2024年度からは新たに教員向けの研修プログラムも開始しました。探究活動の教育に不安や課題がある教員の方々に向けて、我々が「ディスカバ!」で積み上げてきた経験や実績を活かしてサポートしたいと思っています。

「探究入試(Spiral)」など探究活動を評価した入試を桜美林大学が展開している理由は、部活動や委員会活動などと比べても、大学の教育と接続しやすい面があるからです。自ら問いを立てて分析し、それを他者に伝えるというサイクルを経験することで、大学で深く学びたい学問を見つけてほしいと考えています。

―最後に、受験生を指導する高校教員の方々にメッセージを。

出願書類に取り組む際には文字数や体裁を気にしてしまう人が多いですが、「好き」や「興味関心」といった根本を突き詰めることが、どれだけ時間がかかっても結局は近道だと思っています。教員の方々には、生徒がなぜそれを好きなのかを一緒に深く掘り下げていただきたいです。

お話を伺った方

桜美林大学
高原 幸治 入学部部長
桜美林大学大学院・大学アドミニストレーション研究科修士課程修了。2002年、学校法人桜美林学園に入職。国際交流、改組準備室、就職支援、学生支援などの部署を経て、18年から入学部部長。

⇒『進路の広場』で桜美林大学を見る

ページトップへ
メニュー