徹底した少人数教育で知られる武蔵大学で「伸びる学生」の特徴を探る!
「ゼミの武蔵」として知られる武蔵大学は、学生一人ひとりの個性を伸ばす少人数教育を徹底している。
現在は、経済学部、人文学部、社会学部、国際教養学部の4学部を設置し、幅広いテーマの学びを提供している。
2024年度入試では、厳しい競争環境のなか一般選抜の志願者数を伸ばし、ますます存在感を高める同学の教育や入試制度について、アドミッションセンター長の古瀬公博教授(国際教養学部)に伺った。
聞き手・構成 河村卓朗(SINRO!編集長)
武蔵大学は、財界で活躍した根津嘉一郎が教育事業を通して社会に貢献するために大正11(1922)年に創立した旧制武蔵高等学校をルーツとしています。経済学部、人文学部、社会学部、国際教養学部の4学部があり、ビジネスからグローバル、データサイエンスまで、幅広いテーマの教育を提供しています。
武蔵大学を語る上で欠かせないのは、少人数制のゼミ教育です。ほぼすべての学生が1年次からゼミに所属し、密度の高い学びに触れることができます。教員も画一的な指導をせず、学生一人ひとりの興味関心に寄り添う教育を徹底しています。
また、近年注力しているのが、「リベラルアーツ&サイエンス教育」です。学部横断の一般教養にあたる「総合科目」を設置し、全学部の学生に文理融合の複眼的な視点を身につける機会を提供しています。
文系の大学と思われがちですが、話題のデータサイエンス教育にもしっかり対応しています。各学部で学ぶ「専門知」と総合科目で学ぶ「総合知」をかけ合わせることで、変化の激しい現代社会のさまざまな課題と向き合う力を鍛えることができます。これは、社会に変革をもたらすアントレプレナー(起業家)に必要な能力、グローバル社会で活躍する能力と言い換えることもできるでしょう。
武蔵大学はもともと首都圏在住の受験生が大半を占めます。今回も東京、千葉、埼玉の常連校からの志願者が堅実に増えた印象です。
また、東京メトロ副都心線が東急東横線と相互乗り入れしたことで、横浜から本学の最寄り駅まで乗換なしでアクセスできるようになり、神奈川からの志願者も顕著に増加しました。ぜひ神奈川の高校教員の皆様にも選択肢として認識いただきたいですね。
やはり少人数制のゼミ教育でポテンシャルを発揮しそうな学生に期待します。求めるのは「主体的に学ぶ姿勢」です。具体的には、何に興味を持ち、武蔵大学をめざしたのかを自分の言葉で語ってほしいと思います。興味の対象は映画でもファッションでもいい。とにかく誰かに言わされたような言葉でなく、自分なりの考えややりたいことを思う存分語ってほしいですね。
総合型選抜は全学部で行う「AO入試」が一般的です。これは各学部規定の筆記試験や小論文提出に加え、面接を課しています。
国際教養学部では、2025年度入試から国際バカロレア資格の取得見込者および既得者を対象とした「IB(国際バカロレア)入試」を導入します。こちらは他大学との併願も可能です。
特徴的なのは、一般方式の「全学部統一グローバル型」です。こちらは、英語外部試験を利用できる入試です。指定する英語資格・検定試験(4技能)のスコアを本学が定めた基準により得点化して、他教科のスコアと合わせて合否判定を行います。
英検準一級レベルの英語力がある受験生にとっては、かなり有利な選抜方式になります。
国際教養学部は、日本国内において世界水準の学びを実現することを目標として設置しました。海外大学での学位取得者をはじめ、国内外から多様な専門分野に精通した教員を集め、少人数制かつ質の高い教育を行っています。
学部には、経済経営学(EM)専攻とグローバルスタディーズ(GS)専攻の2専攻があります。
大きな特色といえるのが、EM専攻の学生が履修できるパラレル・ディグリー・プログラム(PDP)です。武蔵大学の学位と並行してロンドン大学の学位取得をめざすプログラムで、授業はすべて英語で行われます。ロンドン大学とロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)が策定する授業概要に沿って武蔵大学の教員が学内で実施するもので、毎年実施される試験に合格すれば、日本国内にいながらロンドン大学の学士号を取得できます。
卒業後の進路は、外資系企業への就職、海外有名大学への進学など多様です。EM専攻の受験は、PDPの履修が前提となります。
2025年9月開設に向け、データサイエンスに関する学位を取得できるプログラムも設置計画中です。
自分の「感性」や「価値観」を出発点として、どのような学びをすれば、自分の特徴を伸ばすことができるかをしっかり考えてください。ぜひ高校時代に「これが好きだ」というものを見つけて、それを武蔵大学で思い切り伸ばしてください。
武蔵大学では、高大接続プログラムとして、探究型の模擬授業なども積極的に提供しています。その他、11月までオープンキャンパスも開催しています。こうした機会を通じて、「ゼミの武蔵」の学びを体験してほしいと思います。
武蔵大学
学長補佐
アドミッションセンター長
国際教養学部
古瀬 公博 教授
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