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【横浜商科大学】人生の土台を育む教育改革を推進 横浜商科大学が鍛える「人間力」

学んだ知識が相互に結びつき、興味関心を広げる〈総合教養教育〉の真価とは?

  • 大学・短期大学進学 2023年 12月05日

国際取引や観光産業の盛んな横浜市鶴見区に位置し、地域密着・企業コラボレーションに注力した実践的な学びを展開している横浜商科大学。

商学をベースに実学を重視しながら、「人生を生き抜く」という広い視点での「人間力」の育成にも力を注いでいる。

2025年に向けて取り組んでいる教育改革について羽田功副学長に話を伺った。

聞き手・構成 河村卓朗(SINRO!編集長)

予測不可能な時代でも揺るがない土台が必要

―横浜商科大学が推進している〈総合教養教育〉について、2025年に向けた教育改革の取り組みと併せて詳しくお聞かせください。

 横浜商科大学では、社会を生き抜く「人間力」を育んでもらうための教育改革を推進しています。というのも、現代は気候変動や感染症の流行に代表されるように、未来の予測が難しく変化が激しい時代に突入しています。そうした社会で生き抜いていくためには、どんな困難に直面しても決して揺るがない土台(人間力)が必要になる。

 具体的には、考える力や人との対話力、「まずやってみる」といった意識を育むことが、人生や学習の土台になると考えています。

 私たちはこの土台のことを哲学用語から「リゾーム(=地下茎)」と呼んでいますが、これはまるで地中に張り巡らされた茎のように、一つひとつの知識が横断的に結びついていく様子をイメージしています。

 本学で学ぶことができるマーケティングや経営、会計、観光、情報、スポーツマネジメントといった専門分野に加えて歴史や文学などの多様な教養科目にも触れたうえで、それらを相互的に関連づけながら目の前の課題の解決に取り組んでほしいと思っているのです。

 こうした土台を育むために展開しているのが〈総合教養教育〉です。これは本学の全学生が受講するカリキュラム体系の名称で、習慣的に学びを深められるようサポートする目的があります。

 なかでも大事になるのが、1年次の春学期と秋学期に設置している「社会力演習」。大学に入学した当初は、興味のある分野があってもそれをどう深め、整理すればいいかわからない人も多いと思います。そうした学生にまずは考えるサイクルをじっくり身につけてもらうのがこの授業の狙いです。

 商学のテーマに関連した問いから始まり、グループワークを通して自分の意見を伝え合い、最終的には発表できる状態へと進めていく。また、情報を整理する過程でインターネットやソフトウェアを扱うスキル、レポートの書き方、プレゼンテーションの方法なども修得していきます。考える力の定着が、その後の能動的な学びの原動力になるはずです。

 

―そうした土台形成を経て、2年次以降はどのように発展していくのでしょうか。

 2年次から始まるゼミナールの活動には特に重点を置いています。一般的なゼミは最初に担当教員を決めて4年次まで同じ教員のもとに所属するスタイルだと思います。しかしそこには、同じ分野や学問領域の研究をしている教員と接する機会がないデメリットや、ミスマッチが起きる可能性が内包されています。

 本学では、「マーケティング」や「観光」といった大まかな分野・学問領域で分類しつつも、2年次の間はその分野に属する数名の教員が代わる代わる指導を行い、学生が一番学びたい場所を決められるようにしたいと思っています。皆さんの興味関心から発展する研究のバリエーションの広さを知ってほしいのです。

 これは、各学科で「総合基礎科目」として設置している文学や歴史、哲学、社会学などの授業にも当てはまります。こうした教養科目は、学科の専門科目とは全く関係がないと思われがちです。しかし、経営にも歴史があり、文学作品や哲学を読み解くことでマーケティングへの考えが深まるようなこともたくさんある。

 そうした個々の科目の関連性に気づくことができる授業展開を私たち教員は意識しながら、学生の皆さんに知識のリゾームを築いてほしいと思っています。社会に出て働くうえで、ひとつの専門知識だけで解決できる問題は多くありません。多様な知識を修得し、それらを関連づける習慣を身につけてほしいと思っています。

 

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少人数制教育ならではの新入生サポート制度を整備

―就職支援など、特に力を入れている大学生活のサポート制度があれば教えてください。

 小規模大学であることを活かして、学生一人ひとりに合った丁寧なサポートを実現しています。

 例えば、「SA(Student Assistant)制度」という、高年次学生が1年生の学びを支援する制度があります。主に必修科目のグループワークやパソコンを使用する授業で、困っている学生を支援します。先輩との関わりから刺激を受け、将来のヒントを得る学生も多いようです。

 

―入試について、面接や志望理由で評価するポイントや求める人物像についてお聞かせください。

 自分自身に対して少しでも関心を持っている人に、ぜひ横浜商科大学を受験してほしいなと思います。自分がどんなことに興味があり、なにが得意でなにが苦手なのか?そうしたことを普段から理解しようとしている人であれば、その伸びしろを活かす学びが本学にはあります。試験の面接の場ではそうした思いを真っ直ぐにぶつけてほしいですね。

 少し難しいメッセージにはなってしまいますが、学生の皆さんには「言葉と付き合える人」になってほしいという思いがあります。好きなことを学ぶための言葉。自分の考えを表現するための言葉。人と対話するための言葉。数学であっても情報であっても社会であっても、あらゆる学問は広い意味での言葉で成り立っています。

 身近にある言葉とうまく接しながら、自らの興味関心を深めていってください。

 

お話を伺った方

横浜商科大学
羽田 功 副学長

 

⇒『進路の広場』で横浜商科大学を見る

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