• ホーム
  • 進路コラム
  • 【関東学院大学】横浜・関内キャンパスでさらに広がる関東学院大学の「社会連携教育」
  • 進路コラム
  • スペシャルインタビュー

【関東学院大学】横浜・関内キャンパスでさらに広がる関東学院大学の「社会連携教育」

組織的・継続的に社会とつながる教育を行う独自のフレームワークとは?

  • 大学・短期大学進学 2023年 11月30日

2023年4月、「横浜・関内キャンパス」が完成し、歴史の新たな一歩を踏み出した関東学院大学。

従来から掲げる「社会連携教育」をさらに広げる拠点としても注目が集まる。

SDGsを強く意識しながら、地域の企業や自治体と深く連携しながら学ぶ独自の教育は、新キャンパスでどのように進化していくのか。

国際文化学部教授でもある吉田広毅副学長に話をうかがった。

聞き手・構成 河村卓朗(SINRO!編集長)

関内周辺は社会課題の宝庫
行政や企業との距離も近い

―「横浜・関内キャンパス」がオープンして、半年が経ちます。新たな学びの拠点にどのような手応えを感じていますか?

 「SDGs未来都市」横浜の玄関口であるJR関内駅前に位置する横浜・関内キャンパスは、関東学院大学が推進する「社会連携教育」の新しいプラットフォームになっていくでしょう。

 地上17階、地下2階の都市型高層キャンパスでは、法学部、経営学部、人間共生学部コミュニケーション学科の学生が学んでいます。建物内は学部ごとにフロアを分けず、分野横断型のコミュニケーションを促進しています。

 もともと関内は、神奈川県庁や横浜市役所などが集まる官庁街で、行政との距離が近いのが魅力です。また、近隣の企業はもちろん、横浜中華街とのコラボレーションなども期待できます。まさに日常的に「社会連携教育」ができる拠点なのです。

 実際に関内周辺は社会課題の宝庫です。例えば、近隣の本牧地区では、地域の高齢化が深刻です。そこで、法学部では、2023年4月から特別演習科目「地域創生まじゅんプロジェクト」をスタートし、この問題と向き合っています。

 まず、横浜市の中区長から話を聞き、現場を見て、地域の人々と意見交換をする。さらに地域を盛り上げるイベントに学生企画で参加し、最後に地域活性化の政策提言をする。これを授業として、1年間かけて行っています。

 経営学部が中心となって進める教育プラットフォーム「K‒biz」の取り組みにも力を入れていきます。これは三菱UFJ銀行、京浜急行電鉄、日テレAX‒ONなど全12社にサポーター企業となっていただき、各企業が提示する課題と向き合うプロジェクトです。横浜・関内キャンパスで、新たな展開も期待できます。

 

kanto-gakuin_photo_02.jpg
2023年4月に開校した横浜・関内キャンパス

 

―メインの教育拠点である「横浜・金沢八景キャンパス」の特徴と今後の展望をお聞かせください。

 実習や研究の設備環境が充実している横浜・金沢八景キャンパスでは、各学部の特性が際立つ教育が展開されています。国際系から社会科学系、理工系、国家資格系まで幅広い分野を志望する学生が一緒に学んでいます。ここで人文科学、社会科学、自然科学すべての分野がコラボできるプラットフォームをつくりたいと考えています。

 横浜・金沢八景キャンパスでも「社会連携教育」を積極的に推進しています。例えば、私が所属する国際文化学部の学生たちは、近隣の横浜・横須賀地区などで増えている外国人労働者とその家族が抱える課題と向き合っています。

 具体的には、家族と一緒に来日した子どもたちの教育問題です。現場でヒアリングをしていると子どもたちが日本語能力を高める機会がないまま孤立していくケースが見受けられます。これを解決するために自分たちに何ができるか、学生たちと一緒に考えています。

 「社会連携教育」の舞台となる神奈川県は、国際観光都市、⼯業地帯、漁港、温泉、⽶軍基地、⼈⼝減少地域など、多彩な顔を持つエリアです。フィールドワークの前提として地域特性を理解するために「KGUかながわ学」という科目を開講しているのも特色といえるでしょう。

 

「社会連携教育」のフレームワークを構築する

―関東学院大学の「社会連携教育」の特色化のポイントはどのような点だとお考えですか?

 学生の学びを実質化すべく、「社会連携教育」をフレームワークとして構造化しています。具体的には、「知る」「みる」「考える」「働きかける」という枠組みで教育を回しています。また、それぞれの学びにおいて、学びを「振り返る」ことで、自己と社会の関わりやずれを意識することが重要だと考えています。

 先ほどの在日外国人子女の教育問題であれば、現場で外国人家族の話を聞き、子どもたちの現状を視察し、具体的な解決策を自分なりに考え、それを実際の行動に移す。例えば、放課後日本語教室を自ら開くことだってできるわけです。その上で結果を振り返り、次のサイクルにつなげていくのです。

 

kanto-gakuin_photo_03.png

 

 言ってしまえば、社会連携・地域貢献「活動」は、どこの大学でもやっています。これを一過性のイベントで終わらせない仕組みが必要なのです。ポイントは、「組織的」「継続的」に行うことです。このフレームワークを構築することが、関東学院大学の「社会連携教育」の特色化ポイントになると考えています。

 

―関東学院大学の先進的な学びに興味のある受験生や保護者、さらに高校教員にメッセージを。

 受験生の皆さんには、まず目の前の勉強にしっかり取り組んでほしいです。どの社会においても教養のない人間が他者から信頼を得ることは困難です。幅広い知識は必ず未来の可能性を広げてくれるでしょう。

 そして、常に社会に対して、「問いを立てる」習慣をつけてください。それは日常生活に疑問を持つこと。「当たり前を当たり前と思わない」訓練のようなものです。例えば、困っている外国人の子どもがいたら、「どうなっているのか」「どうして」「どうすればいいのか」、「自分ごと」として疑問に思ってほしいのです。

 その先に情熱をもって向き合える学びの分野が見つかれば理想的です。それを関東学院大学で、思い切り深めてほしいと思います。

 

お話を伺った方

関東学院大学
副学長(教育改革・産官学連携担当)
高等教育研究・開発センター長
国際文化学部
吉田 広毅 教授

 

⇒『進路の広場』で関東学院大学を見る

ページトップへ
メニュー