医療系、グローバル系、情報系も加わり、より多様化する学びに迫る
人文・社会科学系の大学として知られる駒澤大学は、2000年代から、医療系、グローバル系の学部を新設し、「総合大学」として評価を高めている。
近年は、「データサイエンス・AI」教育にも注力し、キャンパスのデジタル化も急ピッチで進んでいる。
都心のワンキャンパスで進む最先端の学びについて、入学センター所長を務める経営学部の岸田隆行教授に話を伺った。
聞き手・構成 河村卓朗(SINRO!編集長)
駒澤大学の特色は、なんといっても東京都世田谷区の「駒沢キャンパス」に7学部17学科が集結する多様性のある学びの環境でしょう。また、日本を代表する人気企業が集まる渋谷・青山エリアまで、電車で10分程度でアクセスできるロケーションも大きな魅力だと思います。
駒澤大学は、「文系の大学」というイメージが強いと思います。
しかし現在は、仏教学部、文学部、経済学部、法学部、経営学部に、医療健康科学部、グローバル・メディア・スタディーズ学部が加わり、人文・社会科学系に医療系、国際系も加えた「総合大学」として、より幅広い学びの可能性を模索しています。
なかでも2006年に開設したグローバル・メディア・スタディーズ学部は、語学や国際系の学びに特化した学部と思われがちですが、「情報系」の学びにも力を入れています。昨今注目を集めるデータサイエンス・AI教育の拠点としての役割も果たしています。プログラミングなど情報系の学びは、英語が共通語ですので、この点でも相性がいいのです。
医療健康科学部は、社会的ニーズが高まる「診療放射線技師」の育成に特化した学部です。実習や国家試験対策の環境も整っており、卒業生の大半は、国公立病院、大学病院などに就職しています。
「駒澤でデータサイエンス?」と意外に思われるかもしれません。
しかし現在、データサイエンスは、金融業、製造業、サービス業から医療、介護、教育、行政まで、社会のあらゆる場所で使われる必須の知識になっています。特に、経済学・経営学など社会科学系の学問分野では、データサイエンスの基盤となる統計学の知識がますます求められています。
駒澤大学では現在、全学部でデータサイエンス・AIに関連する授業が行われています。2022年度から始まった「データサイエンス・AI教育プログラム」も多くの学生が受講しています。
曹洞宗の僧侶が設立した駒澤大学の教育の根幹となるのは、「仏教」の教えと「禅」の精神です。
特に「禅」は、海外で「ZEN」として広く知られており、本学にも海外から学びにくる学生が多数います。全学共通科目の「坐禅」では、本格的な坐禅を体験することができ、人気の科目となっています。
いわゆる「入学定員厳格化」の緩和によって、一般選抜の正規合格者をある程度余裕をもって出せるようになりました。2024年度入試においてもしっかり準備をしてきた受験生であれば、一般選抜で合格を得られやすくなったと言えるのではないでしょうか。
駒澤大学は、6割以上の学生が一般選抜を利用して入学します。
多くの受験生にとって、利用しやすいのは、一般選抜の「全学部統一日程選抜」でしょう。これは医療健康科学部を除く全学部共通の選抜方式で、3科目の全問マークセンス方式で、記述式問題はありません。3学科(専攻)まで併願が可能で、併願受験の割引制度もあります。
また、上位200名以内の得点で合格し、入学した場合、年間30万円が給付される奨学金も用意されています。この奨学金は、入学後の成績により、2年次以降も継続可能です。
このほか、各学部・学科独自の選抜方式や大学入学共通テスト利用選抜もあります。
駒澤大学の一般選抜は、シンプルでわかりやすい問題が多く、難問奇問はありません。テクニックに走らず、過去問題などを地道にこなして臨んでもらえれば解ける問題となっています。
これは、「基礎学力をしっかり付けて入学してほしい」という大学からのメッセージでもあります。
やはり学びの環境が劇的に進化していることでしょう。2018年に3号館「種月館」がオープンし、2022年には、図書館もリニューアルしました。建て替えラッシュで、学生にとってより過ごしやすいキャンパスになってきています。
学内のDX(デジタル・トランスフォーメーション)化も進んでいます。今後5年程度を目途に、BYOD(Bring Your Own Device)を全学的に推進し、いつでもどこでも自身のデジタルデバイスを利用して学修できる環境を整備していきます。
学内見学はいつでも受け付けていますので、気軽にご連絡ください。
駒澤大学には、北海道から沖縄まで全国から集まった学生が、ワンキャンパスで一緒に学べる環境があります。さらに、地域連携プロジェクトや産学連携プロジェクトなど、学外の社会人と接する機会も豊富にあります。
こうした学びの環境をフル活用するために、受験生の皆さんには、ぜひ高校時代から「読書の習慣」をつけてほしい。教養の幅をできるだけ広げておくことで、大学入学後の専門的な学びをより深く理解することができると思います。
駒澤大学 入学センター所長
岸田 隆行 経営学部教授
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