入試の成績が優秀な受験生を最長で4年間、金銭面で優遇する私大の入試制度を紹介する
一般選抜での大学受験を考える高3生にとって、いよいよ入試目前の時期となった。
入試の成績が優秀な合格者に対して返済不要の奨学金を給付する私大が多数存在することをご存じだろうか?
各校の具体的な奨学金入試の内容についてご紹介していきたい。
2025年度の私大入試も年内の入試は大詰めを迎えつつあり、年明けの一般選抜もあと数か月後だ。
受験対策と並んで気になるのは学費などの進学費用。最近では、入試の成績優秀者に対して返還不要の奨学金を用意する大学が増えている。
本稿では、首都圏の有名私大で最長4年間にわたり返済不要の奨学金が給付されるチャンスがある、代表的な大学の入試制度をご紹介したい。*本稿で紹介する記事は2024年11月現在の情報となります。
まずは年内に受験できる入試の例として、神奈川大学の給費生試験をご紹介する。
給費生として合格すると4年間で最大880万円の返還不要の奨学金が給付される。給費生として合格できなくても「一般入試免除合格」となれば2月の一般入試を受けずに合格を確保できる点も魅力。
今年の出願は11月27日から12月5日まで。試験日は12月22日。
更に、今年から帝京大学も最大で4年間の授業料等が免除される奨学特待生選抜を新たに実施する。この入試は併願が可能で入学手続き締切日が2025年の2月20日なので一般選抜との併用もできそうだ。
その他にも年内入試で奨学金がもらえる入試として、東洋英和女学院大学のスカラシップ入学試験や、受験料も無料という嘉悦大学の奨学金給付型特別試験などもおススメだ。
次に、一般選抜や奨学金試験などの成績上位者に最長で4年間にわたって奨学金を給付する首都圏私大の事例について触れてみたい。
●国士舘大学「成績優秀奨学生制度」
成績上位者50名(総得点80%以上)の入学金や4年間の授業料等を免除する。デリバリー選抜、大学入学共通テスト利用選抜Ⅰ期が対象となる。
●駒澤大学「新人の英知(一般選抜特待生)奨学金」
一般選抜T方式(グローバル・メディア・スタディーズ学部はS方式)を極めて優秀な成績で合格した者(採用予定数64名)に授業料相当額を給付。成績により、最長4年間継続可。
●成城大学「成城大学澤柳奨学金(特待生制度)」
入試成績上位者に80万円(授業料相当額)、40万円(授業料半額相当額)を給付する。採用予定人数はそれぞれ108名。2年次以降も継続可。
●専修大学「スカラシップ入学試験」
全学部・全学科をとおして100名。4年間の授業料・施設費が免除される。
●大正大学「奨学生チャレンジ入試」
100名を対象に成績上位から年間120万、60万、30万の3種類の奨学金を給付。最長4年間継続可。
●玉川大学「給付型奨学金入学試験」
前期日程・後期日程でそれぞれ募集。成績に応じて4年間の授業料の全額、半額、1/3相当額を給付。
●大東文化大学「桐門の翼奨学金試験」
成績優秀者100名以内を対象に、入学する学科の授業料を原則4年間免除する。また、一般選抜免除合格も存在する。
●東京経済大学「特待生制度」
一般選抜・共通テスト利用選抜の成績上位者200名+若干名(スカラシップ選抜など)が対象。第1年次の授業料免除(最長で4年間継続可)。第1年次の資格取得支援のキャリア・サポート講座が無料(同時に2講座まで)。
●東京工科大学「奨学生入試」
全学部で計103名を対象に返還義務のない130万円の奨学金が最長で4年間給付される。また、一般選抜免除合格者の発表もある。
●東京都市大学「特待生制度(一般選抜前期)」
各学部の成績上位者対象。4年間の授業料が免除される(入学金などを除く)。2024年度入試では全学部で計52名が採用された。
●関東学院大学「スカラシップ制度」
一般選抜前期3科目型の成績上位者100名と、大学入学共通テスト利用選抜後期5科目スカラシップ型の合格者全員が対象。初年度は入学金と年間授業料を全額免除。最長4年次まで継続可能。
ここで紹介した以外にも、4年間の規模ではないが成績優秀者の入学年度の学費や入学金を免除・減免する入試を行う大学も多数存在する。
志望校の入試要項をしっかりチェックし、成績優秀者を金銭面で優遇する奨学金入試制度があればぜひ有効活用していただきたい。
SINRO!編集長 河村卓朗