出願時に相互理解を深めることで大学4年間を真に価値あるものにする入試
文系と理系の全8学部がワンキャンパスに集う玉川大学。
入試では入学後の目的意識を強く持った受験生を受け入れることを目指し、特色ある総合型選抜を実施するなど改革を進めている。
2024年度入試においては「理工系女子総合型入学審査」を新設。
玉川大学が推進する入試改革について、坂井義孝入試広報部長にお話をうかがった。
聞き手・構成 河村卓朗(SINRO!編集長)
全国的な傾向として総合型選抜や学校推薦型選抜での志願者数が増加し、入学者の約6割が年内入試、残りの4割が一般選抜という結果が報告されています。
本学は以前から受験生と大学の相性を重視した総合型選抜に力を入れており、保護者の皆さまや学校の教員の方々にもそうした想いが浸透しているのを実感しています。また、本学では総合型選抜で入学した学生が4年間で着実に成績を伸ばす傾向にあります。それは、明確な目的意識を持って入学してくる学生が多いからだと思っています。
志望学部・学科の模擬授業(オンラインも可)を受講することや、出願期間の前に個別面接を受けることが出願の必須条件になっているので、必然的に入学後の学生生活をよくイメージしたうえで受験することになります。その結果、特定の教員や先端研究に惹かれて志望する人も多く、受験生と大学の相互理解が進んでいるのを実感しています。
コミュニケーションシートでは、玉川大学の教育に対する理解度や本学で学ぶ意欲・目的意識などを判断しています。
オープンキャンパスで配布している「総合型入学審査準備ノート」は、自分の将来なりたい職業や志望学部で学びたいことについて書き進めていくことで、コミュニケーションシートの記入に活用できます。
コミュニケーションシートには、取得した資格・検定について記入するページがあります。ここで注目してほしいのは、「取得には至らなかったがチャレンジした資格・検定」についての記入欄があることです。合格した資格・検定はもちろん評価に値しますが、不合格になった資格・検定についても努力の痕跡を見いだしたいと思っています。
例えば、英検2級に合格したあとに、準1級に挑戦しているかどうか。たとえ不合格であっても、向上心が垣間見られるような経験が見えれば、評価したいと考えています。
本学では資格・検定の取得状況を出願条件や合否判定に積極的に利用しています。評定平均(学習成績の状況)は各高等学校によってどうしても基準に差が出てしまうことがある一方、資格・検定は等級や点数を平等に評価できることもあり、重視しています。
玉川大学では、2024年度入試において「理工系女子総合型入学審査」を新設します。その名の通り女性の理工系進学を積極的に支援する選抜制度で、農学部と工学部の全学科対象として実施します。
新設に対する思いは明確で、本学として理工系の業界における女性の活躍を推進し、ダイバーシティな社会の創出に貢献したいと考えるからです。
玉川大学は農学部において女子学生の割合が約4割、工学部は2割以下となっています。本学の文系学部では女子学生の割合が多いか半々のところがほとんどなので、まずは工学部において2割、農学部についても5割の女子学生の入学を期待したいと思っています。
総合型入学審査Ⅰ期との併願も可能で、合格のチャンスが広がる選抜制度ですので、農学部や工学部の学びに強い関心を持っている女子生徒は、ぜひ受験を検討してください。
2024年度入試の最新情報は入試情報サイトをチェック!
https://www.tamagawa.jp/uni_admission/
グローバル化や技術の進歩、社会課題の複雑化など将来の予測が難しい「VUCA」と言われる時代に求められるのは、人間ならではのコミュニケーション力や、各分野の知識を組み合わせて前例にとらわれない新たな価値を生み出す力だと考えています。
そうした考えのもと、玉川大学では「ESTEAM教育」を展開しています。これは、欧米で推進されている「STEM教育」(科学:Science、技術:Technology、工学:Engineering、数学:Mathematics)に、グローバルな展開を見据えた共通語としての英語(ELF)と人文科学や創造力を養う芸術(Arts)を加えた本学独自の教育システムです。
文理融合で分野を横断した柔軟な発想や知識を身につけることで、ひとつの専門領域では解決できない複雑な問題に対する柔軟な対応力を養ってもらいます。
こうした複合的な学びを実践する拠点として、本学には「ESTEAMエリア」という研究施設群があります。学部・学科を越えた学生たちがともに学び、これからの情報化社会やグローバル社会で輝くことができる人材育成を推進しています。
「大学で学びたいことは?」と聞かれると「さまざまなことに興味があって、学びたいことがひとつに決められない」と困ってしまう高校生もいるでしょう。本学にはリベラルアーツ学部のように幅広い分野の学びに触れられる学部もあるので、自分に合う学びの環境について広い視野で考えてみてください。
玉川大学
坂井 義孝 入試広報部長
大手予備校で受験生ならびに保護者の進学指導を長年担当。
全国の高校営業を通じ、進路講演等も数多く手掛ける。2015年より現職。
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