保育から心理学、異文化理解まで幅広い東洋英和女学院大学の学び
東洋英和女学院大学は、1884年に開校した東洋英和女学校を起源とする女子大学。
英語教育や充実した留学制度で知られ、卒業生は幅広い分野で活躍している。
現在は人間科学部と国際社会学部の2学部4学科で、保育から心理学、異文化理解まで幅広い教育を展開している。
副学長、入試委員長を務める国際社会学部竹下裕子教授に最新の教育現場について伺った。
聞き手・構成 河村卓朗(SINRO!編集長)
本学は、キリスト教の教えに基づく教育を行う歴史ある女子大学です。建学の精神は「敬神奉仕」。人間形成、人格形成を重んじる教育によって、自立した心を育み、他者と共生・協働しながら主体的に行動できる女性を育成しています。
現在は2学部4学科があり、学びの機会を提供しています。
特色として挙げられるのは、1年次から始まる4年間の少人数制ゼミナール教育です。
まず、1年次の「フレッシュマン・セミナー」で、大学の学びに必要な議論やレポートのスキルを身につけることができます。「フレッシュマン・セミナー」の担当教員は、アドバイザーとして、担任の先生のような役割を担い、履修や学習方法について、いつでも質問や相談ができます。
大学の授業はいわばビュッフェスタイルのレストランです。そこで、アドバイザー教員が「コレとコレを選べば、栄養満点で成長できるよ」と指導するのです。4年次まで続く、約15名の少人数制ゼミナールが、高校までのクラスのような受け皿になるため、孤立する心配もありません。
1・2年次に週3回(人間科学部保育子ども学科は週2回)の英語の授業が必修で配置され、英語4技能をバランスよく学べる環境を整えています。
ただし、大切なのは英語学習を目的化せず、英語を使って専門の学びを深めることです。そのため学科ごとに専門分野に関連した英語科目を設置しています。例えば、国際コミュニケーション学科には、異文化理解に特化した英語の授業があります。
国際社会学部では必修の英語科目の授業に、1対1のオンライン英語レッスンを導入しています。
さらに、第2外国語・手話も必修で履修します。第2外国語を学ぶことで、日本語・英語の理解がさらに深まります。最近は、K-POP人気から韓国語を履修する学生が多いですね。
留学プログラムも充実しています。世界11か国24校の海外提携校があり、その多くが交換留学の受け入れ先になっています。また、国際社会学科には、原則希望者全員参加可能な語学研修プログラムもあります。
まず人間科学科では、「心理学」「社会学」「教育学」「宗教学」という4つの学問領域を軸に人間と社会について理解を深めます。現代人にとってメンタルケアは重要なテーマです。
また、AI時代における人間の役割を考えるうえでも軸となる4つの学問領域は、大きな支えになるでしょう。また、国家試験である「公認心理師」の受験資格を得られるカリキュラムも用意しています。
保育子ども学科では、「保育士」と「幼稚園教諭一種免許状」の2つの国家資格を同時取得できるだけでなく、東洋英和ならではの充実した教養科目を履修できるカリキュラムが特長です。
近年は、国内においてもグローバルな感覚を持った保育士へのニーズが高まっています。そこで、保育英語や諸外国の教育・福祉の制度を専門的に学べる「子どもと国際」コースを用意し、現場の多様化にも対応できる保育のプロフェッショナルを育成しています。
「スカラシップ入学試験」をぜひ多くの受験生に知ってほしいです。これは、成績次第で最長4年間の授業料免除などが受けられる可能性のある特別な入試で、他大学との併願も可能です。
試験日は12月中旬で、大学入学共通テスト終了後まで、入学手続きを待つことができます。
特に本学の学校推薦型選抜、総合型選抜の合格者に、「スカラシップ生」にも再チャレンジしてもらうことを推奨しています。2024年度入試から合格者の検定料は無料です。
また、「総合型選抜 併願型」の「英語4技能区分」と「自己推薦区分言語・外国語検定活用」の出願資格を満たしている人は、本学入学後の長期留学の授業料などが免除になる特典があります。
大学生になったら絶対に留学したいと思っている人は、ぜひチェックしてほしいと思います。
本学では、1年次から「ライフデザイン科目群」を設置するなど、女子大学ならではのキャリア形成支援を4年一貫で行っています。「女性のためのリーダーシップ」「キャリアデザイン」などの科目を用意しています。
大手企業への就職者も多く、総合職として活躍している先輩も多数います。特に国際社会学部の卒業生は、航空業界やホテル業界で活躍している人が多いですね。
「伸びしろ」のある受験生をしっかり伸ばす教育こそが、コンパクトな女子大である本学の強みだと思っています。
受験期に「まだ何がしたいのかわからない」という高校生も大歓迎です。一緒に歩みながら、一人ひとりの将来像を見つける幅広い機会を与えるのが東洋英和女学院大学の役割だと思っています。