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いまさら聞けない?! 大学アドミッションポリシーの読み方

総合型選抜や学校推薦型選抜の面接で必須なのに、読み方を知らない人が意外と多い?

  • 大学・短期大学進学 2022年 10月04日

推薦系の入試ではどの大学でも面接が行われる。そこで必ず話題に上るのが志望校のアドミッションポリシーだが、意外と読み方が分からないという方がいるようだ。本稿では読み方のポイントを解説していきたい。SINRO! 編集長 河村卓朗

推薦系入試の面接で必ず聞かれる!?

志望校のアドミッションポリシーとは?

 

 最近、年内に合否が決まる推薦系入試の受験者数が増えている。総合型選抜でも学校推薦型選抜でも、試験では面接が必ずといってよいほど行われ、ここでの受け答えが合否に重大な影響を与える。

 

 推薦入試の面接対策で、志望動機の準備などと併せてチェックしておきたいのが、志望校が掲げるアドミッションポリシー(以下、アドポリ)の内容を理解することである。他にもカリキュラムポリシー、ディプロマポリシーがあるのだが、本稿ではアドポリに特化した解説をする。

 

 アドポリとは何かと言えば、志望校が求める人材像を記した書面だと思ってほしい。

 

 高校で推薦入試に関する講演をしていると、このアドポリの読み方が良く分からないという相談を受けることがしばしばある。順を追って解説していきたい。

 

 

大学全体・学部・学科それぞれにアドポリは存在する?

 

 基本中の基本として、大学のアドポリは最大で3種類(大学全体・学部・学科)存在するということを理解してほしい。つまり、志望校の大学全体のアドポリだけを読んで分かった気になるのは危険であり、その先にある志望学部・学科のアドポリまで読み込む必要があるのだ。

 

 調べ方だが、アドポリ情報はほぼ間違いなく志望校の公式サイトに掲載されている。私は「〇〇大学   アドミッションポリシー」で検索することが多い。大学のWEBサイトのトップから探すとなかなか見つからない場合もあるので、おすすめの検索方法である。

 

 ちなみに、弊社が運営する志望校検索サイト「進路の広場」では、各学校の個別紹介ページ内に「アドポリ」コーナーを設置しているので、簡単に志望校のアドポリを見つけることができる。

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よろしければこちらもご活用いただきたい。

 

 特に小規模校に多いのだが、大学全体のアドポリしかない大学や、大学全体アドポリがなくて学科のアドポリしかない大学なども少数だが存在するので注意が必要だ。この場合は公開されているアドポリだけを見ておけばよい。

 

 

同じ学科でも大学によってアドポリの内容が違う点をおさえよう!

 

 アドポリ調べでぜひやっておきたいのが、志望校と併願候補校で同じ(または近い内容の)学科のアドポリを比較しておくことだ。

 

 これは面接でよく聞かれる「〇〇学科は他大学にも沢山あるのになぜ本学で学びたいのですか?」という質問への有効な対策となる。

 

 複数の大学の同じ学科のアドポリを読めば分かるのだが、それぞれに微妙に内容が違う。この差をまとめておくと面接で具体的な返答ができる。

 

 本稿では、実際に調べてみて分かりやすいと感じた3大学(A・B・C大学とする)の経済学科のアドポリをベースにした架空のアドポリ表を作成してみた。ここで私なりに感じたポイントを解説したい。

 

A大学

  • 経済社会に関心を持ち、社会の諸問題を発見できる人
  • グローバル社会に対応し、活躍できる人
  • 物事を論理的に考えられる人
  • データから事実を読み取ることができる人
  • 主体的に自分の意見を発信できる人
  • 自らの考えを論理的に整理して伝え、議論できる人
B大学
 
  • 社会・経済問題に強い関心を持つ人
  • 複雑化したグローバル社会を深く理解する情報処理能力を身に付けたい人
  • 言語や異文化、国際感覚を養いたい人
  • 日本語のみならず、外国語によるコミュニケーション能力の向上をも目指す人
C大学
 
  • 経済学科では論理的思考力(数学)、経営学科では歴史などの社会科学の素養に秀でた人を求める
  • 現代社会の諸問題に関して高い関心を持ち、社会に貢献できるようになりたいという高い意欲を持つ人
  • 論理的思考の基礎となる言語能力、および数学的な思考能力を備えた人
  • 入試科目では国語・外国語に加えて数学を必須科目とし、高い意欲を持った優秀な学生を受け入れる

 

 

社会・経済問題とグローバル(社会)は必須ワード?!

 

 この3大学の経済学科アドポリを見てまず気がつくのは、どの大学にも「経済・社会(問題)」という語が入っていること。また、「グローバル(社会)」、「国際」に関する語も入っている。ちなみに他大学の経済学科のアドポリにもこれらの語は必ずと言っていいほど入っていた。

 

 つまり、経済学科を目指す人は「社会・経済問題」と「グローバル社会」に多大なる関心を持つ必要があると分かる。

 

 そのうえで各校の違いを探していくと、A大学は「論理的」という語が強調されている印象があり、かつデータを読み取り、自分から意見を発信できる積極的な人を求めているように感じられる。

 

 B大学は「言語・異文化・国際感覚」など、「国際」に関連する語が多く出てくる。国際色の強い経済学を学びたい人と好相性と感じられる。

 

 C大学は経済学と経営学で求めるスキルを明確に示し、そのうえで経済学科では「数学」という語が多用され、入試でも必須科目とするなど、数学力の高い人材を強く求めていると感じられる。

 

 あくまで例であるが、このようにそれぞれの大学が求める人物像には、大前提の社会・経済問題や国際問題に関心を持った人材というところまでは同じとして、その先の部分が微妙に違うことが分かる。

 

例にあげたこの3大学がそれぞれ求めている要素は、経済を学ぶ上で全て必要なスキルだが、より自分が深く学びたい内容がどれなのか?という視点で比べてほしい。

 

 他の分野、たとえば法律でも文学でも理工学でも、調べ方は同じであると思ってほしい。

 

 もし複数の大学の同じ学科のアドポリを調べても、抽象的かつ似たようなことしか書いていない場合(意外と多い!)は、カリキュラムや履修科目、模擬授業をチェックして違いを見つけよう(この調査も志望校比較のためには必須です)。

 

 

アドポリの情報量は大学によって全然違う!

 

 私はこの夏、首都圏の約200私大のアドポリを調べてみた。そこで気がついた点もご紹介しておく。

 

 大半の大学は学科単位までアドポリを用意していた。また、大学によってアドポリの情報量に大きな差があった。熱心な大学はかなりの文字量で学科レベルまでアドポリを記載している。一方で非常にあっさりしたアドポリだけの大学もあった。

 

 2年前にも同様の調査をしたのだが、傾向として当時よりもアドポリの情報量を増やした大学の方が多い。

 

 有名総合大学の中には、ある学部は学科まで丁寧にアドポリが掲載されているのに、ある学部は学部全体のアドポリしか掲載されていないというケースも複数あった。

 

 こういった情報も丁寧に読み比べてはじめて分かることだ。このような点を面接で指摘してみれば「熱心に他大学と比較研究をしている受験生だ」と思われることだろう。

 

 以上でアドポリの読み方解説は終了とさせていただく。多少なりと参考になれば幸いだ。

 

 並行して、履修科目や学びの特徴について公式サイトや大学案内を読み、学校見学やWEBで模擬授業を聞くなどして、自分の学びたい学問が学べる大学かどうかもしっかり確認していただきたい。

 

【まとめ】

●大学のアドポリは最大で3つ(大学全体・学部・学科)ある

●他大学の同じ学科のアドポリもチェックして違いを見つける

●カリキュラムポリシー、ディプロマポリシーや履修科目の違いについても同様に他校の同じ学科と比較しておけばさらに良い

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