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【東洋大学】多教科型入試や英語外部試験利用で東洋大学が入試に込めた想いとは?

受験生から選ばれる大学を目指し、新学部設置やキャンパス改革も進行中

  • 大学・短期大学進学 2022年 08月22日

「多教科型入試」「英語外部試験利用入試」「数学必須入試」など、先進的な選抜方式で注目を集める東洋大学。

入試広報を統括する加藤建二入試部長は「受験生の高校時代の努力を最大限に評価したい」と力強く語る。

コロナ禍で入試環境が激変するなか、東洋大学の次の一手は?

2022年度入試の振り返り、そして、2023年度入試の展望について詳しく聞いた。

聞き手・構成 河村卓朗(SINRO!編集長)

共通テスト利用入試の志願者が大幅に増加

-2022年度一般選抜について、東洋大学の入試結果から見えた傾向についてお聞かせください。

 まず全体として、入試を取り巻く環境はコロナ前とはまったく違います。いわゆる「入学定員厳格化」の影響で、バブル的に増えた志願者増に歯止めがかかりました。

 本学を含めた大規模校が、合格者数を増やしてきたことで併願校数を減らす受験生が増えた影響かもしれません。中には、年内の推薦入試の枠を増やす大学も出てくる可能性もあります。

 

 そんな状況下において、東洋大学は変わらず一般選抜を主体とした入試戦略を続けています。

 大切なのは、延べ志願者を増やすことではなく、自校の求める入学者を確保することです。そのためには、複数の合格を得た受験生に選ばれる大学にならなくてはなりません。

 そこで、「私たちはこういう受験生を求めている」というメッセージを発信する重要なツールとなるのが入試だと思うのです。厳しい外部環境ながら、東洋大学の2022年度入試では、前年より一般選抜の志願者が増えました。これは入試に込めた大学のメッセージが届いた証拠だと思います。

 

 一般選抜の結果を詳しく見ていきましょう。東洋大学の理想の教育を実現するための入試方式の象徴といえるのが、「多教科型入試」です。2011年度から4教科型入試、2016年度から5教科型入試を導入し、2022年度は、4教科・5教科型入試の志願者占有率が、過去最高の10.5%になりました。

 また、経済学部、経営学部など文系8学部で実施している「数学必須入試」の志願者も2022年度は過去最高になりました。これも数理的思考が求められる現在の社会ニーズを反映したものといえるでしょう。

 

 2022年度入試において、もうひとつ特徴的だったのは、共通テスト利用入試前期の志願者数が1万人以上も増加したことです。

 これは、2022年度から共通テスト利用にも「英語外部試験利用入試」を導入した影響が大きいと思います。外部試験のスコアによって、規定の「みなし得点」が付与されるもので、これを安心材料として東洋大学を受験する高校生も多いようです。

 

赤羽台キャンパスに2学部5学科を開設

-2023年4月に赤羽台キャンパスに2学部5学科が開設されると伺っています。

 新たに福祉社会デザイン学部と健康スポーツ科学部※1を開設する予定です。福祉、健康、スポーツ科学、デザインという時代のニーズにマッチした学問領域を赤羽台キャンパスに結集します。

 高齢化、人口減が進む今後の日本社会において、健康や介護福祉の分野を担う人材が必要なのは間違いありません。また、健康を支える上でスポーツの分野にも注目が集まります。そこで、これらの分野を総合的に学び、さらに同じキャンパスにある情報連携学部と連携した学びで社会システム全体をデザインできる人材を育成していきます。

 赤羽台キャンパスのある東京都北区は、都内でも高齢者が多い地域として知られています。ここで、地域社会と連携した実践的な学びが展開されるでしょう。

 

 また、2024年4月には、大規模にリニューアルされた朝霞キャンパスに生命科学・食環境科学に関わる2学部6学科を集約する予定です。「いのちと食のキャンパス」として、ここでも今後の社会で必要な人材を育成します。

 大学は社会のニーズ、学生のニーズを反映し、10年先を見越して、こうした改組を計画します。変化し続けられる組織であることが、東洋大学のあるべき姿だと考えています。

 

東洋大学のキャンパス再編ロードマップ
2023年4月〜 赤羽台キャンパス
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福祉・健康・スポーツ科学・デザインに関わる2学部5学科を開設(予定)
【 設置学部・学科 】
●情報連携学部
  • 情報連携学科
●福祉社会デザイン学部※1
  • 社会福祉学科※1
  • 子ども支援学科※1
  • 人間環境デザイン学科※1
●健康スポーツ科学部※1
  • 健康スポーツ科学科※1
  • 栄養科学科※1
2024年4月〜 朝霞キャンパス
toyo_zu02.png
生命科学・食環境科学に関わる2学部6学科を集約(予定)
【 設置学部・学科 】
●生命科学部(板倉・川越キャンパスより移転)
  • 生命科学科
  • 生体医工学科※2
  • 生物資源学科※2
●食環境科学部(板倉キャンパスより移転)
  • 食環境科学科
  • フードデータサイエンス学科※2
  • 健康栄養学科
 

 

  • 1:2023年4月開設に向けて設置届出済、収容定員に係る学則変更の認可申請中。計画内容は変更となる場合があります。
  • 2:2022年7月現在設置構想中。学科名称は仮称であり、計画内容は変更となる可能性があります。

 

-コロナ禍で貴学のWEB広報の要である「TOYO Web Style」がますます好調のようですね。

 入試情報サイト「TOYO Web Style」では、現在600講座以上のWeb体験授業を無料で視聴できます。多くの高校生に知ってもらうことができ、2021年度は、年間50万PVを記録しました。

 私はこれを東洋大学を受験するためだけでなく、大学受験全体の入口として利用してほしいと思っています。どんな学問分野があるのか、どんな実験や実習ができるのか……学部・学科選びのヒントがここに詰まっています。

 

-2023年度入試における変更点はありますか?

 大きな変更はありませんが、英語外部試験利用入試を拡大し、総合型選抜・学校推薦型選抜にも積極的に導入していきます。

 また、文系学部における数学必須入試も拡大していきます。一方で、前期における2教科型入試は廃止します。

 

-最後に東洋大学をめざす受験生や保護者に向けてメッセージを。

 多教科型入試や英語外部試験利用入試を実施する背景にあるのは、受験生の高校時代の努力を最大限に評価したいという思いです。

 高校時代から外部の資格試験なども受けながら、文系・理系を幅広く学んできた学生は、入学後に確実に伸びることがデータからも明らかになっています。常に自分の将来の可能性を広げる選択をしてほしいと思います。

 また、コロナ禍で経済的な不安を抱える受験生には、学費がリーズナブルな「第2部・イブニングコース」があることも知ってほしいですね。特に年内に合否が決まる推薦入試が狙い目だと思います。

 

お話を伺った方
東洋大学
加藤 建二 理事・入試部長
1987年、学校法人東洋大学入職。
教務部、入試部、総務部などを経て、2013年から入試部長。14年から学校法人東洋大学理事。
職員生活35年中22年が入試部勤務。入試情報サイト「TOYO Web Style」の仕掛け人でもある。

 

⇒『進路の広場』で東洋大学を見る

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