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【玉川大学】時代のニーズに合わせて進化する 玉川大学の「全人教育」が描く未来像

普遍的な価値を基盤に「個性」を伸ばす創立者・小原國芳氏の教えとは

  • 大学・短期大学進学 2022年 08月09日

「全人教育」を教育理念として掲げ、これを実践するカリキュラムを提供している玉川大学。

8学部17学科を擁する総合大学では、時代のニーズに合わせた文理融合の学びの整備が進んでいる。

2021年には、学際的な学びの拠点となる「ESTEAMエリア」も完成。

これまで培った少人数制の丁寧な学びと新たな教育展開について、小原一仁副学長にお話を伺った。

聞き手・構成 河村卓朗(SINRO!編集長)

玉川大学「全人教育」の6つの価値とは?

-玉川大学の教育理念「全人教育」についてお聞かせください。

 「全人教育」とは、玉川学園創立者の小原國芳が1921年に提唱した教育理念で、すでに100年の歴史があります。

 これは、人間形成には、「真」「善」「美」「聖」「健」「富」という6つの価値を調和的に創造することが大切であるという考え方で、「真」は学問、「善」は道徳、「美」は芸術、「聖」は宗教、「健」は身体、「富」は生活を指します。

 これらすべての人間文化の理想を豊かに形成することが教育の根幹にあります。

 「全人」とは特殊な存在ではなく、誰しもが兼ね備えている6つの価値を普遍的に身に着けた人のことです。この「全人」としての土台のもとに、各学部・学科の学びによって学生は多様な個性を伸ばしていきます。

 これが、小原國芳の考える「汎用性の上に成り立つ特殊性」です。この理念を体現するために、本学ではカリキュラムをはじめ、独自の取り組みを行っています。

 

4年間を8セメスターに区分 「履修主義から修得主義」へ

-玉川大学のカリキュラムについて、具体的に教えてください。

 玉川大学では、1年を春学期・秋学期の2学期に分けたセメスター制を導入しています。4年間8セメスターという区分で、学修成果をきめ細かく評価するのが狙いです。

 そして、カリキュラムの特徴といえるのが「CAP制」です。これは、「履修主義から修得主義へ」をコンセプトにした制度で、履修登録の上限を各セメスター16単位と定め、学生が学びとしっかり向き合える環境を整えています。CAP制度があることで、学生たちは卒業要件となる124単位を3年次までにほぼ取り切るような履修ができません。

 その一方で、1つの科目に対して、予習・復習の時間をしっかり確保して臨むことができます。「履修の数ではなく、どれだけ深く学んだか」を評価するのが修得主義なのです。

 また、玉川教育、初年次教育における科目を必修科目とし、全人教育の核、あるいは基底となるものを1年次に履修します。例えば、「玉川の教育」では、「全人教育」の理念を全学生が学びます。

 さらに、「音楽」や「健康教育」という大学では珍しい科目も必修で設置しています。これも「全人教育」の「美」「健」という価値の修得を実践するものといえます。

 さらに、学級担任制と少人数制クラスも玉川大学の特色です。講義全体の67%が30人未満の少人数制で、各学科には専任教員を担任として配置したクラスもあります。

 学級担任は、履修指導だけでなく、将来のキャリアや生活全般に関する相談もできます。コロナ禍で新入生の孤立が問題になりましたが、玉川大学では学級担任が4年間に渡りきめ細かくサポートするので安心いただけます。

 

文理融合の学びを促進する「ESTEAM教育」

-総合大学らしい文理融合の学びも進んでいると伺っています。

 人工知能やロボットなど科学技術の急速な発展によって、社会は大きく変化しています。

 こんな時代を生き抜くためには、前例にとらわれない課題解決の手法を創造する力が求められます。この力を育成する教育モデルが玉川大学独自の「ESTEAM教育」です。これは、「STEM教育」の要素である科学(Science)、技術(Technology)、工学(Engineering)、数学(Mathematics)に、独自の視点として、英語(ELF/English as a Lingua Franca)、芸術・人文科学(Arts)の要素を加えた新しい学びの枠組みです。

 すでに、2019年から工学部・農学部・芸術学部の学生が共に学ぶ「工農芸融合価値創出プロジェクト」がスタートしており、2021年度からは、リベラルアーツ学部の学生も参加しています。今後は「ESTEAM教育」のモデルを全学に広げていくつもりです。

 

-キャンパスのリニューアルも進んでいるようですね。

 2021年に、「異分野融合の学び」の舞台となる「ESTEAMエリア」が完成しました。これは、「ESTEAM教育」を実践するための施設群です。

 中でも、学部の枠を超えた複合的な学修拠点となる「STREAM Hall 2019」や「Consilience Hall 2020」は、オープンキャンパスなどの機会に、ぜひ現地を見てほしいですね。

 

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STREAM Hall 2019
異分野融合の学びを育む場をコンセプトに、学部の領域を超えた複合的な学修拠点。
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Consilience Hall 2020
異なる学問分野が、出会い、融合する場をコンセプトにデザインシンキングを実践する学修環境としての役割を担います。

 

自分でテーマを設定し、論考できる人材を求む!

-最後に玉川大学に興味がある受験生、保護者にメッセージを。

 高校生活の中で、自分でテーマを設定し、資料や文献を読み込んで考察し、論文やレポートにまとめる「論考」の経験を積んでほしいですね。これは、大学での4年間を価値あるものにすることにつながります。

 「論考」の経験は、本学の総合型選抜でも役立ちます。2023年度入試からは、オープンキャンパスへの参加が必須条件でなくなり、「体験授業フェア」の模擬授業もオンライン参加できるなど、遠方の受験生も出願しやすい環境が整いました。

 また、玉川大学をもっと知りたいという人は、ぜひオープンキャンパスにお越しください。自然豊かなキャンパスや教員との距離が近い模擬授業の様子など、現場を見てこそわかることも多いと思います。

 

お話を伺った方
玉川大学 副学長
小原 一仁 教授
教育学博士(UCLA)。
米国セントマイケルズカレッジに入学。ボストンカレッジに編入し学士、修士課程、UCLAで博士課程を修了。
8年間の異文化での学歴と研修経験を持つ。
2012年度より玉川大学教育学部勤務、2020年度より教育学部長を経て現職。

 

⇒『進路の広場』で玉川大学を見る

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