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新しい時代を切り拓く女性を育成するフェリス女学院大学の教育の「今」

「あなたはどう思う?」から見える互いを尊重するフェリス女学院大学の教育

  • 大学・短期大学進学 2021年 12月14日

少人数制の丁寧な教育と安定した就職実績で定評のあるフェリス女学院大学。

1870年創立の歴史ある女子大学では、コロナ禍の今、どのような教育が行われているのか。

現場で取材をすると「教養教育」「双方向型学習」というキーワードの先に、時代が求める人材育成の実像が見えてきた。

荒井真学長、梅﨑透副学長、小ヶ谷千穂教務部長にお話を伺った。

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フェリスの教育を支える教員との圧倒的な距離の近さ

―昨年は私大全体の志願者数が大きく減り、女子大も入りやすい傾向にあると聞きます。フェリス女学院大学の現状をお聞かせください。

荒井 新型コロナウイルス感染拡大に起因する都市圏回避、グローバル離れの影響を受け、フェリス女学院大学も倍率の面では受験のハードルが下がりました。

ただ、教育の質、堅実な就職実績は変わりません。今こそ受験生に独自の学びの魅力を積極的にアピールするタイミングだと思っています。

本学は、併願で入学してくる学生も少なくありません。それでもフェリスに来て飛躍的に伸びた学生、積極的になった学生を数多く見てきました。

保護者の方からも「面倒見のいいフェリスに進学させてよかった」という声を数多くいただいています。

 

―フェリス女学院大学のどのような教育が女子学生たちの背中を押しているのでしょう?

梅﨑 やはり教員との距離の近さに尽きますね。

こう言葉にすると月並みですが、フェリス女学院大学の距離の近さは圧倒的です。

通常、大規模私大の学生は、教員との距離を縮めるのにかなり苦労をしています。しかし、ここでは距離が近いので、授業の質問はもちろん、日常生活や将来の悩みまでなんでも聞いてくる学生が多いですね。

小ヶ谷 私もフェリス女学院大学に来る前は、別の国公立大学で勤務していましたが、ここにはまったく違う環境があります。

やはり「アカデミック・アドバイザー制度」の効果が大きいですね。

これは高校までの担任制度にあたるもので、1年次から専任教員が約20名の学生を担当し、履修計画から日常生活のアドバイスまで、あらゆる相談に乗ります。

男性の先生たちも「女子化」しているのか、女子学生たちと自然に馴染んでいますよね(笑)。

荒井 この「アカデミック・アドバイザー制度」は、4年間の学びの基盤をつくる初年次教育を担う「入門ゼミ」や「基礎演習」の教員が担当します。

担当教員は、学生一人ひとりが卒業論文を書いて、立派に卒業するまで鍛えようという責任感を持っています。

梅﨑 例えば、1年次にレポートの書き方を修得していない学生がいたら、「どこの入門ゼミだ?」と教員が責められかねません(笑)。

それだけ真剣に向き合っているということです。

小ヶ谷 1年次から2年次……と学生という大切なバトンを教員同士で渡していくプレッシャーがいい方向に働いていると思いますね。

荒井 こうした教員同士の意思統一は、コロナ禍でも役立ちました。

各教員がオンライン授業の質を均一化させるために繰り返しレクチャーを行ってノウハウを共有し、一致団結して取り組んだのは印象的でした。

オンライン授業の環境づくりに関しては、学生アルバイトのサポートにも大いに助けられました。

 

■ フェリス女学院大学 学びの全体像
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21世紀の教養を身につける「リベラル・アーツ教育」

―カリキュラムの面でもフェリス女学院大学の特徴はありますか?

梅﨑 学びの特色は、なんといっても21世紀の教養を身につける「リベラル・アーツ教育」です。

これを「少人数」「双方向型」の環境で進めている点がフェリス女学院大学の強みだといえるでしょう。

学生たちは、所属する学部・学科の専門科目を核としながら、「CLA科目」と呼ばれる教養科目群を履修して、視野を広げることができます。

小ヶ谷 約7割の授業は、受講生30名未満で行われていて、プレゼンテーションやディスカッションを積極的に取り入れています。

各教員は、とにかく学生が主体的に参加できる授業を心がけています。

荒井 なかでも特徴的なのが、CLA科目の「プロジェクト演習」です。

例えば、私が過去に担当した授業では、履修生と一緒に、フェリス女学院大学の広報戦略を考えました。

受験生の具体的なペルソナを設定し、そこからブランディング、マーケティングの展開を学生主体で考え、発表を行いました。この密度の授業を10名程度の規模で丁寧に行うのがフェリスのやり方です。

小ヶ谷 ほかにもCLA科目には、「私たちが学びたいこと」という学生提案型科目があります。

これはまさに学生からの提案をもとに、教員と共同で授業をつくり上げます。テーマは、現代の世界情勢や社会問題、現代社会の諸相を反映したもので、来年は「LGBTQ」をテーマにした授業を学生たちが準備中です。

梅﨑 こうした少人数の学生が主体的に参加する授業を支えるのが、「私はこう思う、あなたはどう?」というコミュニケーションです。

このクリティカルな思考こそ、フェリス女学院大学の文化といえます。

授業ではさまざまな意見が出ます。例えば、「アメリカの中絶問題」。宗教、政治、さまざまな要素が背景にあります。これをあえて話し合うことで、どうして日本では話題にされないのかという疑問も生まれます。

こうしたリアルな問題をオープンに話し合うことから、大いに学びを深めていってほしいのです。そして、リベラル・アーツ教育で得た気づきを各学部学科の専門教育につなげていくことで、学びがさらに深まるのです。

 

「学生が選ぶインターンシップアワード」で優秀賞を受賞

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株式会社マイナビが運営する第4回「学生が選ぶインターンシップアワード」において、フェリス女学院大学のインターンシップ科目「2020年度夏季キャリア実習」が優秀賞を受賞しました。

これは、教育理念である「For Others」に基づく独自プログラムで、10日又は20日以上の長期間の実習で、組織の一員として「実際の業務を担う」点が特徴。

過去の参加者が次年度の実習生を支援する「ピアサポート制度」、コロナ禍においても多くの学びが得られるようなプログラム構成などが高く評価されました。

 

卒業生が後輩を指導する文化が就職実績を支える

―フェリス女学院大学は、コロナ禍の2020年度も就職内定率94・2%と堅実な結果を残しています。背景にはどのような取り組みがありますか?

荒井 航空業界が採用を大幅縮小するなど今年はやや苦戦したものの、JR東日本、三菱UFJ銀行、アクセンチュアなど、大手企業の内定を決めた多くの学生たちが羽ばたいていきました。

近年は、一般職でなく、総合職で内定を決めている学生がほとんどなのも特徴でしょう。

これはやはり少人数制のキャリア形成支援を丁寧にやっている成果だと思います。

1年次から参加できる就職関連セミナーもありますし、2年次のインターンシップに向けた指導もしっかり行います。3年次以降の就職活動に際しては、就職課で個別相談はもちろん、履歴書添削や模擬面接も徹底的に行っています。

梅﨑 卒業生の進路を100%把握している点もフェリス女学院大学の大きな強みです。

進路がわからない学生がいたらゼミ担当の先生などがすぐに連絡を取ってくれます。

さらに、卒業後も転職などで困ったらいつでも相談できるサポート体制を整えています。

誰ひとり取り残さないのがフェリス流なのです。

小ヶ谷 これは女子大共通かもしれませんが、卒業生たちが在学生の指導に熱心に参加してくれるのも特徴だと思います。

やはり入学式後のオリエンテーションで、働く女性のロールモデルである先輩の話は説得力があります。

就職先で評価された先輩が、その職業のやりがいを後輩に伝える。その繰り返しの歴史がコロナ禍でも大きく変わらない就職実績につながっているのだと思います。

※就職内定率=就職内定者÷就職希望者

 

―出口のことが見えてくると気になるのは入口です。2022年度入試(一般選抜)のポイントについてお聞かせください。

梅﨑 一般選抜は主に「2科目型」「3科目型」の試験で合否を判定します。

傾向としては、「世界史」「日本史」は、近現代の範囲から多く出題されます。

現代社会に歴史がどう関わっているのか、その影響で今何が起こっているのかを自分なりに考えてほしいという思いがあります。「国語」に関しても純文学作品からの出題より、現代の社会情勢について考えさせる評論文などからの出題が多い傾向ですね。

小ヶ谷 今の世の中について、自分がどう考えているのかが問われるわけです。

それは入学後の「私はこう思う、あなたはどう?」という双方向の学びに直結していきます。なので、普段から新聞やネットのニュースに関心を持って、自分なりの意見を発信する訓練をしてきた高校生には、有利な試験かもしれません。

 

―こうした選抜を経て、入学してきたフェリス女学院大学の学生の共通点はありますか?

荒井 素直でマイペースな学生が多いですね。

男子学生は、どうしても勝ち負けの競争意識を前面に出してしまいがちですが、フェリスには、仲間と助け合い、意見を尊重し合う独特の文化があります。

小ヶ谷 競争ではなくて、自分が好きなことをトコトン追究して、それが認められる環境があります。これは女子大だからというのではなく、フェリス独自のものだと思います。

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フェリスが取り組んできた教育が求められる時代に

―最後に高校教員と保護者の皆さんにメッセージを。

梅﨑「実践型教育」の大きな流れを経て、いま世の中は「教養教育」を求めています。

混迷する世の中を生き抜くには、きちんと読んで、書けて、自分なりに思考して、判断できる力が必要です。

これは、まさにフェリス女学院大学がずっと行ってきたリベラル・アーツ教育が目指すものです。ここで幅広い学びに触れ、個性を伸ばしてほしいと思います。

小ヶ谷 フェリス女学院大学には、自由な学びの場があります。「女性が標準」という世界でのびのびと学ぶ環境が合っている女子高校生もいるでしょう。

女性ばかりと思われがちですが、インターンシップや留学など男性と一緒に学ぶ機会も豊富にあります。ぜひWebサイトや大学案内などで、フェリスの学びについて調べてみてください。

荒井 大学の使命とは、つまり「学問って面白い」という気づきを与えることだと考えています。

今の時代、「寄らば大樹の陰」という発想では問題は解決しません。

大人にも5年後、10年後のことがわからない時代です。だからこそ、自ら学び、新しい時代を切り拓く女性をフェリス女学院大学から、社会に送り出していきたいと思っています。

 

NEW

一般選抜成績優秀者奨学金(学院創立150周年記念)をスタート!

フェリス女学院大学では2022 年度一般選抜で成績優秀者を対象とした給付型奨学金制度を新たに導入いたします。最大で4年間の継続給付が可能です。

■対象の入試、条件

一般入試A日程2 科目型、一般入試A日程3科目型、一般入試B日程の各入試で各学科上位者を対象とする

一般入試A日程(2科目型) 計:32名
一般入試A日程(3科目型) 計:14名
一般入試B日程 計:12名
総計58名

■奨学金の対象となる納付金

入学年次の基本授業料相当額
(文学部:国際交流学部:825,000円、音楽学部:865,000円)を給付
  • 入学金、施設設備費、その他諸経費は対象外
基準をクリアすれば4 年間上記給付を継続
 

 

お話を伺った方
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 荒井 真 学長
 フェリス女学院大学
 国際交流学部 国際交流学科 教授

 

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 梅﨑 透 副学長
 フェリス女学院大学
 文学部 英語英米文学科 教授

 

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 小ヶ谷 千穂 教務部長
 フェリス女学院大学
 文学部 コミュニケーション学科 教授
 
 
聞き手・構成
河村卓朗(SINRO!編集長)

 

⇒『進路の広場』でフェリス女学院大学を見る

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