• ホーム
  • 進路コラム
  • 【職業大】ものづくりの最前線で活躍するのは、技能を備えたアカデミック人材
  • 進路コラム
  • スペシャルインタビュー

【職業大】ものづくりの最前線で活躍するのは、技能を備えたアカデミック人材

実就職率100%を叶える、職業能力開発総合大学校の現場重視のカリキュラム

  • その他 2021年 09月30日

ものづくり人材を育成するため、国のミッションに基づき60年前から知識と技能を徹底して教育してきた「職業能力開発総合大学校」。

即戦力が養われるカリキュラムで多くの企業から注目され、6年連続実就職率100%という実績を誇っている。

今回は学生部長の村上智広先生、教務部長の小野寺理文先生にお話しを伺った。

(聞き手・構成 河村卓朗)

syokunou2.png

生産技術の学士と職業訓練指導員の免許が取れる職業能力開発総合大学校

―「省庁大学校」である職業能力開発総合大学校とは、どのような大学校なのですか。

 職業能力開発総合大学校(職業大)は、厚生労働省が所管する高等教育機関です。本校のように文部科学省以外の省庁が所管する大学校のことを「省庁大学校」と呼び、国としてのミッションを担っています。防衛省の「防衛大学校」や国土交通省の「気象大学校」なども同様です。

 4年制大学卒と同じ「学士号」を取得できるうえ、国立大学の標準的な学費と同額で密度の濃い学びを提供しています。

 ちなみに、一般の大学の工学部で与えられる学位はほとんどの場合「学士(工学)」ですが、職業大の卒業生に授けられるのは「学士(生産技術)」で、これを取得できるのは日本で本校のみ。

 また3年次に必要な科目を履修することで、卒業時に国家資格であるテクノインストラクター(職業訓練指導員)の免許を取得できます。約9割の学生が免許取得のための指導員養成課程を履修していて、卒業生の約半数は卒業後、テクノインストラクターとして、全国の公共職業能力開発施設や認定職業訓練施設などに就職します。

 

※テクノインストラクターとは?
ひとことで言えば「ものづくりを教える先生」。高卒者や求職者、障害者などに技術指導を行うことで、就職支援を行う。法律(職業能力開発促進法)に基づく「専門職」であり、「国家公務員」「地方公務員」または「準公務員」として働く。

 

―職業大ならではの学びの特徴をお聞かせください。

 職業大は、機械専攻、電気専攻、電子情報専攻、建築専攻の4専攻で構成されています。

 技術面での指導にこだわっているので、1学年約80名、4学年あわせて約320名の学生に対して、教員が100名とほかにはない環境です。1クラスは20名と小人数なので教員の目が行き届きやすく、一人ひとり丁寧に技術指導ができます。

 指導するのは専門性の高い教授陣で、多くは博士の学位に加え、技能士の国家資格を持っています。座学での理論も技術も両方教えられるので、実習などでは理論的な背景を交えた技術指導ができるのも強みです。

 学びの大きな特徴は、文部科学省の大学設置基準と同等の理論と、高度なものづくりに必要な実践的な技能を両方学べる点です。理論だけでなく+αでスキルを身につけるため授業時間数が多く、実験・実習は一般の工学系学部の約3倍の時間を費やします。

 実際に自分で手を動かし、ものをつくる経験を4年間で多く積むからこそ、生産技術の学士が取得でき、卒業後はものづくりの現場で即戦力になり得るのです。

 一方、求職者などを対象に、就職に必要な技術指導や就職支援を行うテクノインストラクターになるためにはアカデミックな学びも欠かせません。技術進歩が著しいものづくりの現場においては、新たな技術を習得しながら求職者に指導することが求められるのです。

 

設計からものづくりまで、確かな理論に基づいた技術を習得

―職業大では、設計から実際のものづくりまで一連の流れを学ぶということですが、具体的にどのような作業を行うのでしょうか。

 例えば、機械の場合は、金属を切削したり接合したりしながら、最終的に一つの部品を完成させます。建築の場合は実際にコンクリートを練り、鉄筋・型枠などの加工と組み立て、コンクリート打設を行い、自分たちで鉄筋コンクリートの建物を完成させることで、施工管理の要点を学びます。

 自分で実際に手を動かし、試行錯誤を繰り返しながらものづくりをすることで、座学で学んだ理論を実務で役立つレベルで理解できます。また、生産工程全体を把握できるため幅広い技術の習得も可能です。知識の引き出しが増えることで、未知の課題に対して、あらゆる選択肢の中から最適な方法を考えられます。

 このように、「アカデミックな知識を身につけた技術者」は民間企業からも高く評価され、「作業服をまとったインテリ」と呼ばれたこともあります。確かな理論に基づく技術を身につけた職業大の卒業生は、さまざまなものづくりの現場で求められているのです。

 

―就職に関しては、6年連続実就職率100%という数字を記録しています。

 やはり座学に加えて実習が多く、チームを組んでものづくりに取り組む機会が豊富なことから高いコミュニケーション能力を身に付けた学生が多い点などが企業から評価されているのだと思います。また小人数制の良さを活かし、教授陣がマンツーマンで就職指導をしていることも好調の要因でしょう。おかげさまで88%の学生が第一志望の就職先へ進み、活躍しています。

 そして冒頭でもお話したとおり、約半数の学生はテクノインストラクターの職についています。さらに職業大には修士相当の課程があり、専門性を高めるために進学する学生も少なくありません。

 

―最後にどのような学生に学んでほしいか、メッセージをお願いします。

 実習が多い分、ほかの大学の工学部などと比べて授業時間が多くなりますが、ものづくりが好きでスキルを身につけたい学生にとってはこれ以上ない環境が整っていると思います。

 卒業後はテクノインストラクターとしての就職だけでなく、民間企業でエンジニアとして活躍する道もひらけていますし、民間企業で働き、さまざまな現場経験を経てからテクノインストラクターに転職する卒業生もいるなど、多彩なキャリア選択が可能です。

 職業大のカリキュラムに興味を持っていただけたら、ぜひ進学先の選択肢として検討してほしいと思います。

 

職業能力開発総合大学校の就職実績(2020年3月卒業生)

syokunou3.png

 

 ​​​​syokunou1.jpg
 職業能力開発総合大学校
 教授 学生部長 博士(工学)
 村上 智広 先生

 

syokunou2.jpg
 
 
 職業能力開発総合大学校
 教授 教務部長 博士(工学)
 小野寺 理文 先生
ページトップへ
メニュー