2021年4月、市ケ谷キャンパスがさらに学びやすい環境に
入試改革元年となった今春の一般選抜は私大全体で大幅な志願者減となった。
その一方で合格者数を増やした大学も少なくない。
この状況について、「定員厳格化前の一般選抜の数値に戻りつつある」と分析されている法政大学入学センター長の菊池克仁さんに、今春の入試結果から見えた点、法政大学の次年度入試のチェックポイントを併せて伺った。
(聞き手・構成 河村卓朗)
私大全体が大きな志願者減となったなか、本学も大学全体で志願者減となりました。
海外交流が教育の核となる国際関連の学部は苦戦しましたが、情報化社会を支える高度な技術が学べる情報科学部や、豊富な資格取得をめざせる現代福祉学部、新しい入試を導入したキャリアデザイン学部などの志願者数は好調でした。
一方で、合格者数は昨年より多く出ています。法政大学でも追加合格者数は昨年からさらに増えて約2000名近くになりました。
合格発表はまだ定員厳格化の影響があり、入試の最初の合格者数は多くはならず、追加合格で多くなる傾向が各大学とも定着してきた印象があります。受験生の皆さんには、なかなか進学先が決定しない状態が長引くことになり、心苦しく思っています。
今春の志願者数は減り、合格者数が増えました。一方で、総合型・学校推薦型選抜の年内入試は志願者・合格者・入学者とも増える傾向があります。
オンライン動画は時間や場所に制限されず、情報を得られる点が優れていると思います。特に東京まで出にくい、地方在住の方にはメリットがあります。また、わからないところを繰り返し見られる、メニューの中から見たいところを選んで見られる、といった点も利点です。
ただ、動画コンテンツは見やすい分、説明内容が残らないこともあります。気になったポイントをしっかり記録しながら視聴するなど、「授業を受けるつもりで見る」姿勢が大切です。例えば、学部選びで視聴する場合なら動画で気になった内容を掘り下げていくことが志望学科決定を決めていくスタートになります。
情報収集の場となるオープンキャンパス(以下OC)についてですが、本学では今年は予約制で対面方式での実施を予定しています。講演や講義などはオンラインでの動画配信にして、受験生の質問に応える個別相談など、動画では伝わりにくいものを中心にしたプログラムを考えています。
OC日程などをチェックするためにも、ぜひ大学の公式SNSサイトなどに事前登録をしておきましょう。
法政大学では多くの総合型・学校推薦型選抜で面接がありますが、まずは志望学部・学科の学びを理解することが必要です。
志望理由書の作成時には、大学案内や模擬授業などの動画で調べた内容をそのまま記すのではなく、志望する学部・学科でどのようなプランで学びたいか、自分の言葉で語ることが大切です。
たとえば、模擬授業の動画を視聴したことを書くならその動画を見て興味を持った事柄について、自分で掘り下げたなら、そこで得たものを表現してもいいかもしれません。
たとえば現代福祉学部 福祉コミュニティ学科の「まちづくりチャレンジ自己推薦入試」は、地域社会とつながりを持ってユニークな活動を実践してきた経験があり、自らが思い描くまちづくりのビジョン実現に向けて具体的なアイデアを有している人材を評価する入試です。
キャリアデザイン学部キャリアデザイン学科には、商業高校等を対象とした「商業学科等対象公募推薦入試」という入試があります。
他にも、海外高校への留学体験を有する方を対象としたグローバル体験公募推薦入試や、国際バカロレア資格取得者を対象とした国際バカロレア利用自己推薦入試など様々な入試を実施していますので、自分の強みや体験を活かせそうな入試があればぜひチャレンジしてください。
入試方式については、社会学部と国際文化学部が英語外部試験利用入試を新規導入します。また、GIS(グローバル教養学部)のA方式(個別日程)で試験科目等の変更があります。
昨年入試で志願者数が減り、合格者数が増えたことは先ほどお話ししましたが、全体的には合格最低点が下がった学部学科が多くなっています。
法政大学の一般選抜では難問が多いわけではなく、確実な学力を持っていれば手ごたえをつかめる入試です。「入試ガイド」に昨年の合格最低点が掲載されているので参考にしてぜひチャレンジしてください。
2021年4月、市ケ谷キャンパスのリニューアルが終了し、都会にありながら近隣にある江戸城の外堀などの景観に溶け込む緑が多いキャンパスになりました。
新築された大内山校舎ほか、周辺の多くの校舎が一体化した景観となっており、少人数教育や自習などの学習環境も更に充実しました。
また、庭園もあるゆったりとした中庭にはフリースペースもたくさん用意しましたので、授業の合間、あるいは授業がなくても大学にくればリフレッシュできるようなキャンパス環境になったと思います。
志望校選びの際には、このような学習環境のよさにも注目していただきたいですね。
2014年度より開始した市ケ谷キャンパスの再開発が、2021年1月をもってすべての工事が終わり新たなキャンパスへと生まれ変わりました。
最新設備を備えた5つの校舎(ボアソナード・タワー、大内山校舎、富士見ゲート、外濠校舎、富士見坂校舎)、その5つの校舎に囲まれる形で完成したキャンパス中央広場は、一度広場に出れば、全ての校舎へ簡単にアクセスができます。
また各校舎への移動も同じフロアで行き来が可能なバリアフリーにも配慮した設計となっています。
お話を伺った方
⇒『進路の広場』で法政大学を見る