オープンキャンパスを効果的に回るために必要な情報とは?
7月になり、高校生にとって志望校理解を深めていく大切な時期となりました。これから夏にかけて本格化するオープンキャンパスに参加する方や、大学受験を総合型選抜でお考えの方は、志望校の下調べが重要です。本稿では志望校の調べ方の「キホン」を解説させていただきます。
オープンキャンパス(以下、OC)に参加する際に、下調べでぜひ活用いただきたいのが志望校の学校案内(パンフレット)と、公式WEBサイトです。
重要なのはこれらコンテンツの「読み方」ですが、「何から見ればいいか分からない」という方のために、私がしばしば高校で行う「大学案内の調べ方」講義でお話するポイントを解説させていただきます。
特に複数のキャンパスがある大学の場合、志望学部の所在地は必ず確認してください。また、自宅からムリなく通える通学時間かどうかもイメージしておきましょう。
大学の場合は志望学科の年次ごとの授業内容、必修科目と選択科目の内容を見て本当に興味のある内容かどうかをチェックしてください。
なんとなくイメージで選んだ学科の中身(授業内容)を見たら、苦手な内容ばかりということもありえますので、ミスマッチの回避のためにもお勧めします。
合格するためにぜひやってほしいのは、志望分野(仮に法学部とする)なら、複数の大学の法学部の授業科目を見比べて内容の違いを理解しておくことです。
たとえばA大学を受験するために併願校のB・C大学の法学部の授業科目も調べてみてA大学にしかない科目が分かれば、面接で話す時に「A大学にしかない~の授業を受けたいから受験しました」と具体的に志望理由を語る事ができます。
大学で出てくるアドポリとは、平たくいえば「志望校が求める人材像」のことです。
注意点は、大学全体のアドポリだけを見て安心するのではなく、志望学部・学科のアドポリまでチェックすることです。意外とここまで調べない人もいるので要注意です。
大学入試の場合、同じような偏差値帯でも試験内容はさまざまです。自分に向いている入試方式がある大学を探してください。
奨学金制度の有無や受験料割引の情報も重要です。専門学校の場合は、早期受験をすると費用面で優遇される入試制度を実施している学校も多くあります。自分が受けたい志望校にそのような制度があるか、チェックしてみましょう。
大学の場合は学部学科ごとに細かく就職率や就職先の企業の情報を出しているところが大半ですので他大学と見比べてみると良いでしょう。
就職希望者のうち何名が就職できたか、という数字よりも大学院進学者を除いた全員のうち、何名が就職できたかが分かる、「実就職率」が示されているかどうか、チェックしましょう。
昨年からのコロナ禍により先生方の模擬授業を動画化してWEBサイトにアップする学校がとても増えました。ぜひ、志望学科の実際の授業の様子が分かる模擬授業動画を見て下さい。
複数の学校の授業動画を見て面白いと感じられる授業があった学校があなたの運命の志望校かもしれません。面白かった場合は内容を必ずメモしておきましょう。
上記で触れた各ポイントについて、3校ほどを見比べて違いなどをメモして整理すると、各校の特徴が見えてきます。
受験生の熱意を面接や書類審査で評価する総合型選抜を受ける場合、このメモをヒントに具体的な理由を挙げてアピールすると「なぜ、本学の~学科を希望したのですか?」と、面接で必ず聞かれる質問への回答内容がグッと引き締まります。
総合型選抜で大学受験を考えている高3生にとって、ここで触れた情報収集ポイントは、合格するために最低限(当たり前に)やっておいていただきたい内容です。次のステップとしてここで調べた情報をもとにOCに参加して合格に役立つ情報を得るために「質問」ができるようになっていただきたいと思います。
最後に、私たち進路企画は、首都間の大学・短大、専門学校の志望校調べに必須となる、学校ごとの学びの特徴・学科ごとの学費・入試情報などの情報を網羅した検索サイト「進路の広場」を6月に公開いたしました。志望校調べにぜひご活用をいただければ幸いです。*その他の進路コラムはコチラ
SINRO!編集長 河村卓朗