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2021年度一般選抜 私大志願者ランキング(首都圏版)

  • 大学・短期大学進学 2021年 04月26日

大学入試改革にコロナ禍と、大きな変動の年となった2021年度入試。

数十年ぶりに大幅な志願者減となった私大一般選抜の動向を、豊島継男事務所の調査データを元に読み解いた。

前年比指数86.8%。数十年ぶりに私大志願者が大幅に減った2021年度一般選抜

入試改革元年となった2021年度私大一般選抜は大幅な志願者減となった。豊島継男事務所の調査によると、3月2日までに同事務所が収集した全国私大の約40%にあたる239校の志願者数の平均は前年比86.8%となっている。10%以上の志願者減は、1985年の調査開始以来初のことだそうだ。なぜこれほどの志願者減となったのか?

コロナ禍で安全志向に拍車がかかった2021年度入試

一番の要因として考えられるのは、今年度から始まる入試改革により大学によっては入試内容が大きく変わる可能性があったことに加えて、コロナ禍の影響で試験の実施を含めて先行きが不透明だった一般選抜を回避し、指定校推薦などを活用して年内に進路を決める受験生が多かったこと。

進路企画が懇意にさせていただいている数十校を超える首都圏の公立校でも、指定校利用が増えたというお話を多数伺っている。休校が長引き、志望校の情報が不足し受験対策が遅れがちになった状況を考えれば当然の動きともいえる。

次に考えられるのは、1年前の20年度入試では浪人して新制度の入試を受けることを避けて現役進学を選ぶ受験生が多く、浪人生が少なかったこと。共通テストの志願者数を見ても既卒生が2万9名減少している。併願校数が多くなりがちな浪人生の減少も、志願者減の要因となったと予想される。

その他、新型コロナウィルスへの感染者が多い首都圏私大受験を回避する地方の受験生が多かったことや、2月後半と3月に実施される各大学の中期・後期試験の志願者の減少が激しかったことも大きな要因だろう。

(細かい概要については次回以降、解説していきたい)

 

首都圏の私大志願者数ランキングにも大きな変化が。

このような状況下で、2021年度一般選抜の首都圏私大の志願者数はどのような結果となったのか?上位20大学の志願者数について、豊島継男事務所と進路企画が調査したデータをもとに見ていきたい。

TOP20.png

(2021年4月2日現在の調査内容。帝京大学は未集計。各校WEBサイトなどを調査)

千葉工業大学が躍進。微増・微減の範囲に留まっている大学が多い

まず目についたのは、今回志願者数が10万人を超えているのはトップの千葉工業大学のみという点。全国でみても10万人を超えているのはトップの近畿大学13万5979人と千葉工業大学だけだ。昨年は志願者数が10万人を超えている首都圏私大が6校あったことを考えると、如何に21年度入試の志願者減が激しかったかが見て取れる。

千葉工業大学の躍進については、共通テスト利用型の検定料を無料にしたことや、試験前日まで出願を受け付けるなど、受験生に優しい施策への評価があったことが想像される。

次に全体を見た特徴として、トップ20に出てくる大半の大学は志願者減が微減・微増の範囲に留まっており、この20大学の総志願者数の前年比指数は91.4と全国平均の86.8を上回っている。これはつまり、一般選抜の受験生そのものは減少したが、ある程度以上の難易度の大学を狙う受験層はかなり一般選抜に残ったことを示唆するのではないかと思われる。逆にいえば、20位以下の多くの私大の減少幅が大きかったともいえる。

入試改革が奏功した立教大学、上智大学

大幅な志願者減のなか、100%を超えている立教大学と上智大学。この両校は大きな入試改革を実施した大学だ。

立教大学は独自試験を全学部方式に集約し試験日程も増やした点が受験生に好評だったのだろう。英語独自試験について文学部を除き廃止し、指定された外部英語検定か共通テストの英語が利用できる制度に変更した点も見逃せない。

上智大学は共通テスト利用方式を新規導入したことが要因に挙げられる。

次年度の私大一般選抜は隔年現象で志願者増となるのか?

入試のセオリーとして、志願者が減った翌年は増える大学が多いものだが、大規模私大に関してはここ数年、入学定員厳格化で難化した影響か、2年連続で志願者減となっている大学も少なくない。

これだけ大きく志願者が減った翌年(次年度)は反動で志願者が増える大学が多くなりそうであるが、コロナ禍が長引く状況となった場合や、近年利用者が増えている指定校推薦や昨年は思いの他志願者数が伸びなかった総合型選抜を利用する受験生が増えれば、次年度の一般選抜も志願者が減る可能性がある。

今後の社会情勢も注視したい。 SINRO!編集長 河村卓朗

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