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【東京都市大学】努力の成果や意欲を最大限評価する 受験生本位の入学者選抜を実施

基準点クリアで必ず合格できる方式も導入済み ―学校法人五島育英会 東京都市大学(旧:武蔵工業大学)

  • 大学・短期大学進学 2020年 12月16日

東京都市大学は、2009年に武蔵工業大学と東横学園女子短期大学が統合して誕生。

学部新設などを経て、現在は7学部17学科を擁し、毎年1600名以上の新入学生を迎えています。2021年4月の入学定員は前年から30名増の1650名となる予定です。

入学定員厳格化により私大受験の難化が叫ばれる中、少しでも受験生の不安を和らげたいと語る同校の入試センター・菅沼直治部長に、具体的な取り組みを聞きました。

政策ウォッチをベースに受験生目線で迅速対応

―コロナ禍における入試準備の現状からお聞かせください。

 2020年度は、大学入学共通テストへの移行に向けた準備のさなかに新型コロナウイルス感染症が拡大し、本学でも対応に追われました。ただ、受験生自身も環境が激変し、大変な思いをされていることと思います。

 そこで本学では、受験生の不安を少しでも和らげ、勉強に集中してほしいという思いを胸に、より望ましい入学者選抜方法を模索してきました。教職員間で信頼関係を築きやすい適度な規模の大学だからこそ、教員と入試センターの職員が一枚岩となり、受験生本位の迅速で柔軟な対応につながっていると自負しています。

 具体的には、全国約780大学の中で、どこよりも早く入試方式の変更情報を発信することを目指し、7月8日には全国の大学に先がけて変更内容を発表しました。本学では、以前から既に数々の独自の入試改革を進めてきており、そこから大きくは変更しない“現行継承”をベースとしながら、コロナ対策に伴う変更点が明確にわかるよう情報発信しています。

 このプロセスに大いに活かされたのが、これまで入試センターが地道に取り組んできた絶え間ない政策ウォッチと、緻密なデータ分析を重視する姿勢です。特に政策ウォッチでは、大学入学共通テストへの移行や、英語4技能重視へのシフト、英語外部試験の導入、国語・数学での記述式問題の導入など、高大接続改革に関わる動向を注視。加えて新型コロナウイルス感染症が拡大する中で文部科学省から発表される指針などの趣旨も的確に捉え、入試方式に反映させてきました。

 

―では、貴学の特徴的な入試方式についてお聞かせください。

 例えば、一般選抜の共通テスト利用入試には「前期5教科基準点型」があります。基準点というキーワードの通り、例えば、機械工学科の場合は800点満点中560点(※)をとれば全員が合格となります。

 絶対評価で合否が決まるとても珍しい入試方式で、事実上、競争倍率が存在しません。コツコツと複数教科を勉強してきた国公立志望の受験生を中心に人気を集め、志願者は倍増ペース。基準点が明確だからこそ目標が立てやすく、対策しやすい点が志願者増加の大きな要因だと分析しています。

※800点の内訳は文系タイプ、理系タイプに分かれ、基準点は学科により560~590点に設定されています。

 一方で、一般選抜は前期・中期・後期の3期制。それぞれ3教科型と2教科型で実施します。前期では、2月1日・2日・3日から試験日を自由に選択できるほか、新型コロナウイルスへの感染によって前期または中期で受験できなかった場合には、以後の日程に振り替えて受験することもできます。

 また前期では、理工学部から都市生活学部、人間科学部まで、入試成績優秀者の授業料を100% 免除する特待生や留学プログラム奨学生の選抜も行います。

 その他、王禅寺キャンパスに原子力研究所を構え、原子力分野で国内屈指の研究力を誇る本学ならではの入試として、総合型選抜で「原子力人材入試」を実施しています。原子力に関する技術のみならず、廃炉工程における安全性の確保に向けても原子力人材は不可欠。武蔵工業大学時代から本学のアイデンティティとして息づく研究分野のひとつであり、社会的な使命感を持つ学生が毎年入学しています。

 

入試トピックス
⃝共通テスト利用入試〈前期5教科基準点型〉を全学科で導入
 基準点以上の得点で、受験者数に関係なく合格が確約されます
⃝英語外部試験の利用が可能に
 【一般選抜(前期・中期)】
⃝試験日自由選択制でチャンス拡大
 【一般選抜(前期)】
⃝特待生制度、入学検定料の併願割引制度あり
 
―英語外部試験の導入や、「学力の3要素」の評価なども行いますか?

 「一般選抜」の前期では、英検やGTECなどの英語外部試験を活用できます。英検であれば、取得級に応じた得点換算を行い、準1級は100点、2級は80点、準2級は60点として換算し、試験を受けずに得点として認められます。なお、2級以下の取得者は、試験を受けて換算点よりも高得点であればそちらが採用されますが、2020年度入試では2級保持者が本学の試験を受けた場合の平均得点は78点でした。

 本学の英語の試験レベルと換算点の設定がほぼリンクしていると言えますが、2級を取得しておけば確実に80点の得点と見なされますので、資格は持っていて損はないということです。もちろん英語は受験対策のみならず、グローバル社会で必須の資質となるものですし、入学後には学部を問わず英語の論文を読む機会もありますので、まずは高校時代に英検などの試験にトライしてみることをおすすめします。

 また、「学力の3要素」を重視した入試方式としては、共通テスト利用入試の「後期3教科グループディスカッション型」があります。大学入学共通テストの結果と調査書に加え、グループディスカッションでの内容が評価対象になります。ただし、新型コロナウイルスの感染状況に応じて、グループディスカッションを小論文に変更する可能性もあります。

 なお、本学ではすべての入試方式がWEB出願となりますが、出願時には学力の3要素や大学での勉強に対する意欲なども記入していただきます。点数化によって合否判定に用いるものではありませんが、入学後に本学独自のポートフォリオシステムに連動させます。高校生活での成果や大学で挑戦したいことなどについて、日頃から言語化してまとめておくと、自分の興味関心が何かをふり返る、良い機会にもなります。

 

2021年度入試はチャンス拡大 30名の入学定員増

―最後に2021年度入試の展望をお聞かせください。

 2021年度入試では、環境学部環境経営システム学科と、メディア情報学部情報システム学科で合計30名の定員増になり、入学定員の合計は1650名となります。この入学定員増を行うため、ここ数年はその申請条件となる入学者数の厳格化に特に精緻に対応しており、年度末に追加合格を出すといった状況を生み出す要因にもなっていました。

 2021年度は入学定員増に加え、追加合格で入学者数調整するスタンスを見直し、辞退率などを勘案することで2020年度よりも合格者を多く出せるよう計画を立てています。近年は入学定員厳格化の流れの中で、倍率が高くなる傾向にありますが、本学の2021年度入試では一部の学科を除き、緩和されることが考えられますので、ぜひ臆することなく本学を受験していただきたいですね。

 

*2022年キャンパス再編
世田谷キャンパスに5学部が集結

sinro5_tosidai3.jpg東京都市大学では、2029年の創立100周年に向けた「アクションプラン2030」を推進中。 その一環として、2022年には都市生活学部と人間科学部の拠点である等々力キャンパ スの機能を世田谷キャンパスに移設・統合するキャンパス再整備計画を進めています。 世田谷キャンパスに新たに2棟が建設され、一大教育・研究拠点へと進化させます。

 

 sinro5_tosidai1.jpgお話を伺った方

 東京都市大学 入試センター部長

 菅沼直治 氏

取材・構成

SINRO!編集長 河村卓朗

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