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専門学校選びに校内ガイダンスが有効な理由

  • 専門学校進学 2020年 12月03日

今年(2020年)の1学期はコロナ禍の影響で上級学校(大学・短大・専門学校)のオープンキャンパスが中止となり、高3生は情報を集めにくい状況となった。特に選び方が難しい専門学校については、高校の先生方から見て「あまりおすすめしたくない学校」に走る生徒が多かったようで、弊社にも複数の相談をいただいた。本稿では、高校内進路ガイダンスが専門学校選びに果たす役割について考えてみたい。

どんな学校を招聘するかが高校内進学ガイダンスのキモ

私たち進路企画は、大学・短大・専門学校関連の進学雑誌の発行や高校内進路ガイダンスのお手伝いを主な業務としている。この高校内進学ガイダンスを実施する際に、高校ごとの進路状況を見ながらそれぞれの学校にとって最善と思われる上級学校編成を、先生方と協議しながら決めていく。大学の進学者が多い高校、専門学校・短大が多い高校など色々だ。

そして何より気を配っているのが、専門学校の招聘先の選定だ。これには理由がある。

専門学校には大学の「偏差値」のような便利な比較指標が存在しない

一般的には高校生の進路先として最も進学希望者が多いのは大学だろう。高校内に招聘する大学を選ぶ際には、過去の合格者数実績や偏差値、エリアなどをある程度参考にしながら先生方と協議して打診先を決定していく。

一方で難しいのが専門学校の選び方だ。まず、専門学校には偏差値のような便利な比較指標が存在しない。それゆえ、招聘する学校を決める際に何を根拠にすればよいのか?実はここに私たちの存在意義がある。

何しろ、高校の先生方は「大学卒」であるから、よほど進路を長く担当されてきた方を別とすれば、専門学校をそもそもあまりご存じない(恥ずかしながら私も進路企画に来て取材を重ねるまでは専門学校のことはほとんど知らなかった)。では直接見に行って調べようとて、校務に多忙な中では難しいという課題もある。このような事情があるので、知見のある我々がお手伝いをするのだ。

特に今年の1学期はコロナ禍の影響で高校が休校、上級学校のオープンキャンパスも軒並み中止という情報が入りにくい状況だった。よく調べないまま、WEB広報が上手で評判は必ずしも良いとは言えない専門学校を選んだ高3生が一定数いたようで、「もっとしっかり調べるか相談をしてから決めて欲しかった」と嘆く先生の声を複数の高校で伺った。

弊社が考える「信頼のおける専門学校」と「距離を取るべき専門学校」とは?

では、どうやって専門学校の良し悪しを見極めるかというと2つのポイントがある。1つ目は、就職実績や授業時間数などの中身と情報開示の度合い。もう1つはお付き合いをいただいている沢山の高校の先生方からの「評価」だ。この2つをミックスすると、ある程度安心のおける専門学校が見えてくる。

私たちが考える「良い専門学校」とは、授業料に見合う教育内容で預かった学生をその分野で通用するプロに育ててくれる学校。そのためには、カリキュラムの内容や授業時間数、設備環境面の充実、教員の質、補習などのサポート体制がどのくらい備わった学校かを見るようにしている。

特に、就職結果について細かく開示していることは必須だ。最近では職業実践専門課程に認定されている専門学校は、以前とは比較にならないほど詳細に、募集に関する情報を公開するようになったので、我々も大いに参考にさせていただいている。弊社が企画する進学ガイダンスでは、このような専門学校だけをお招きするように努めている。真面目な専門学校だけを集めたいという点が進路企画の「こだわり」だ。 

2つ目の「先生方の評価」。これは主に卒業した生徒からの感想や相談になるが、どうも判で押したように「面倒見が良くない」という声を聞く学校グループが複数存在する。

私たちも実際にそれらの学校のイベントに潜入してみて、聞いた話と実体験を併せると、過度と思われるお土産をくれたり、耳ざわりの良い話(たとえば「うちは楽しいからだれでも大丈夫」みたいなことを強調する)ばかり、授業料の支払いが信販会社と提携していて一括払い(退学となっても返還しない)、授業時間数が少ない、など。その学校に入学して本当に実力がつくのだろうか?と疑問に感じる、このような学校には注意が必要だと思う。

「信頼のおける」専門学校だけを高校内ガイダンスに呼ぶメリット

ある高校の先生から言われて記憶に残っているのは、「例年、校内で厳選した専門学校を呼んで説明会を開いていたからこそ、生徒たちがある程度、我々が信頼のおける専門学校を受けていた。今年はこのような行事や進路指導が充分にできなかったので、生徒たちが自分で探した結果、あまりおすすめできない専門学校を選んでしまった子が多い」というお話だ。

高校が、自前または我々のような教育関連企業と連携して校内進学説明会を開く時に、「ある程度キビシイくらいの教育をしてくれる専門学校だけを呼ぶ」という基準を明確にしておくと、生徒に対して安心な専門学校だけを紹介できる。その目利きの一端を不肖、進路企画が担当させていただいている。

専門学校の魅力は1つの分野に特化した学びにあるので、弊社が「プロに育ててくれる」と信頼を置く専門学校の学びは、ある意味で大学よりもやることが多く忙しいとさえいえる。

せっかく専門学校を選ぶなら、このような学校を選びそこで学んだ数年間で基本となる技術や礼儀作法を身につけて実社会に羽ばたいて欲しいのだ。「誰でも入れて・楽しい」だけの学校では本当の力は身につかない、ということをご理解いただきたい。(文責 SINRO! 編集長 河村卓朗)
 

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