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生徒一人ひとりにふさわしい専門学校の選び方(後編)*5つのポイントとは?!

  • 専門学校進学 2019年 02月20日

「専門学校」と一言にいっても、その教育内容や姿勢、運営方法は学校によって実にさまざまで比較することが難しいのも事実だ。

そこで、今回は長年にわたり高校生に専門学校の選び方をアドバイスしてきた弊社代表・工藤茂樹と、過去に専門学校に勤務した経験を活かした豊富なノウハウを持つ大平稔が、専門学校の選び方、そして生徒一人ひとりにふさわしい学校の見極め方を解説する。

記事の前編・後編

(前編からの続き)

専門学校選び、5つのポイントとは?!

POINT 1

認可校か無認可校か

大平 専門学校選びの際には「認可校」と「無認可校」というキーワードがしばしば登場します。認可校とは、設置基準について都道府県知事の認可を受けた学校です。無認可校は、認可を受けていない自由な形態の学校で、専門学校ではありません。

工藤 認可校は1年間に800時間以上の授業を実施しなければならないというルールがありますが、無認可校はそのようなルールがないので、授業時間もまちまちです。なお、無認可校は卒業すれば経歴にはなりますが、学歴が「高卒」扱いになるという点は知っておいたほうがいいと思います。

一方で、無認可校でも業界と深いつながりがあり、就職のことを第一に考えた教育を行っている学校もあります。
もちろんきちんと調べる必要はありますが、無認可であっても気になる学校があれば、学びの内容について調べてみるといいでしょう。

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POINT 2

卒業生の就職率はどうか

大平 将来の職業に直結した学びを提供するのが専門学校ですから、実際に卒業生が就職できているのか、就職率は一つの判断基準になります。就職実績に自信のある学校は、各年の卒業生がどんなところに就職したかを公表しており、資料として学校案内と一緒に配布している学校もあります。

しかし、学校によっては過去3年間、過去5年間など長期にわたる就職先をまとめて、あたかも最近の就職実績であるかのように公表しているところもありますので、資料を読むときは就職に関する記述をよく読むことが大事です。

そして、過去何年分の実績なのか、就職率の分母はどのような数字なのかなど、不明な点があればオープンキャンパスや学校訪問の際に質問してみましょう。少なくとも1年ごとに就職先の資料をまとめている学校や、卒業者数と就職者数、就職先や採用職種まで公開している学校は信頼していいと思います。

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POINT 3

どんなカリキュラムか

工藤 これまでいろいろな専門学校を見てきましたが、今あらためて感じるのはカリキュラムの重要性です。同じ分野の専門学校でも、実際に学べる内容は学校によってさまざまですし、資格を取るために必要な授業以外にどんな内容の授業が用意されているのかも、学校によって違います。

業界のトレンドなどを常にキャッチし、今の時代に必要な技術や設備の使い方をカリキュラムに取り入れている学校や、カリキュラム内容の見直しを頻繁に行って常にベストな授業を提供している学校があるなか、昔から変わらないカリキュラムで教育を続けている学校もあります。ただ、最新の内容を教育に取り入れるということは、先生方も常に勉強しているということですから、意識が高いということは間違いありません。

POINT 4

学費の内容が明瞭であるか

工藤 学費もしっかり調べていただきたい項目の一つです。1年間にかかる費用を、学校案内に詳しく書いている学校もあれば、残念なことに明記していない学校もあります。たとえば、海外研修旅行が必須で、それに30万円が必要であったとしても学校案内に明記されておらず、入学してから請求されたというケースもあります。このような追加費用があるかどうかを慎重に調べ、事前に学校側へ問い合わせてみるのもいいと思います。

また、18歳人口が年々減少するなか、学生を早い段階で確保したい専門学校がよく使う「早割」という制度があります。早く入学を決めると学費が安くなる、入学金を免除する、といった特典をつけるものです。しかし、それは学校側の一つの戦略であり、本来カリキュラムに自信があれば、費用を安くするということはありません。教育の質や設備を充実させるためには、当然お金がかかります。実習でアシスタントの教員がついているか、設備の数と学生数が見合っているかなど、学校のお金のかけ方は教育の質の高さにつながります。学費が安いからという理由で学校を決めるのはとても危険です。
教育内容に自信がある学校は安易に割引などはしないものです。
 

POINT 5

普段の雰囲気はどうか

大平 高校生の皆さんにおすすめしたいのは、オープンキャンパスではない、通常授業の日に学校へ足を運んでみることです。オープンキャンパスはどうしてもいいことばかりが目に入りますが、学校の本当の姿は、普段の日にこそ見られるものなのです。たとえば、平日に突然訪問したとき、教職員はどう対応してくれるのか。質問や疑問を投げかけたとき、どう答えてくれるのか。こうしたときの対応は、入学後に受ける学生対応や教育内容に通ずるものがあるのです。

また「ほかの学校も見ておいで」といってくれる学校や、希望する職種に関する厳しい現実や勉強の大変さなどを話してくれる学校は信頼できますね。
「どんな人でも大丈夫! 楽しいよ!」なんて安心させることばかりいう学校は少しあやしいかもしれません。

工藤 「普段の学校の姿」=「学校の本質」なのだと思います。以前、ある専門学校を訪問した際、大半の学生が授業中に居眠りをしていたんですね。
その数日後、同じ分野の別の専門学校へ行ったら、居眠りをしている学生は一人もいなかったんです。その学校では、すれ違った学生は元気に挨拶してくれました。

同じ分野の専門学校でも、ここまで違うのかと驚きましたね。環境ってとても大切で、環境が人を育てるということもあると思います。それがすべてではありませんが、学校の雰囲気を知ることは大事ですね。

大平 それから、学校に足を運んだ際には、ぜひ求人票も見てきてほしいと思います。自分がなりたい職業は、どのくらいの給与がもらえるかを知ることが一つ。また、求人票を堂々と見せてくれる学校は、教育や就職サポートに自信がある学校ですから、そこで学校の質を垣間見ることができます。

学ぶ目的を明確にし、自分にふさわしい学校選択を

―最後に、専門学校への進学を考える高校生にメッセージをお願いします。

大平 専門学校は入試の時期も早まってきていますので、できるだけ早めにリサーチを進める必要があります。近年はAO入試を実施する学校がとても多く、選考は6月から始まることがほとんどです。なかにはもっと早い時期から申し込みを迫ったり、魅力的なイベントで受験生を囲い込もうという学校もあります。

3年生になってからあわてて進路を考えるようでは時間的な余裕もなく、安易な学校選びをしてしまって将来の生き方にも影響をおよぼしかねません。ですから、まずは自分がどんな職業に就きたいのかを考え、学ぶ目的を明確にしたうえで、専門学校のほうが夢の実現のためにふさわしいと判断できたら、自分に合う学校をじっくり選んでください。同じ分野でも、学校によって得られる学びやその内容はさまざまです。だからこそ、いろいろな学校を見てほしいと思います。

工藤 目的が決まっている人にとっては、実践的かつ専門的に学べる専門学校はとてもいい環境だと思います。大学とは学び方が違うと話しましたが、最近は一つのことを集中的に学ぶ、専門学校的な学びのアプローチをする大学も増えてきています。

また、専門学校の学生は目的意識がはっきりしているので、非常にまじめに取り組む姿もよく目にします。同じ目標をもって切磋琢磨したクラスメイトは、卒業後も同じ業界で活躍する仲間として、大きなはげみになるでしょう。たがいに情報交換をするなど、一緒に業界を盛り上げることもできるかもしれません。そういう仲間がつくれることも専門学校のいいところだと思います。高校生の皆さんが自分の夢や目標を考え、専門学校で学ぶことの意味を理解したうえで、自分にふさわしい学校を選んでいただけたらと思います。

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