私立大学では、良い成績を取ると奨学金がもらえる「奨学金連動型の入試制度」が増えています。
11月は大学の推薦入試の時期だ。今年は定員厳格化の影響もあり(平たくいえば、一般入試が非常に厳しくなりそうなので早めに進路を決めておこうという動きが加速した)例年以上に出願が増えた大学も多いのではないだろうか?
そしてあと3か月もすれば一般入試の時期となる。こちらもここ数年で最も高い倍率の大学が続発した昨年並みの厳しさが予想される。安全策として色々な大学を受けた場合、出願に掛かる費用もバカにならない。(1回35,000円として4回受けたら14万!)合格時の入学金・授業料などの納入金以外にも出願時の費用の準備も必要だ。
実は最近、私立大学の中では入試(主に一般入試)で良い成績を取ると奨学金をもらう事ができる奨学金連動型の入試制度が増えてきている。少し実例を出してご紹介したい。
歴史・知名度・規模的に最も有名なのは神奈川大学の給費生試験だろう。
80年を超える歴史がある同制度は12月23日の試験に合格すると入学金などを除く4年間の学費が全て無料になる制度だ。自宅外通学者には更に別途、年額70万の生活援助金も給付される。また、給費生試験に合格できなくても一定の成績を取ると2月試験を免除して入学を許可されるので一般入試の前哨戦(試験に慣れておくという意味でも貴重だ)や、他大学との併願として考えても良いだろう。
国士舘大学の「成績優秀奨学生制度」も大規模な奨学金がもらえる制度だ。
デリバリー入学試験・C方式入学試験I期(大学入試センター試験利用)受験者を対象に、成績上位者50名の入学金・授業料等を原則、4年間免除する制度だ。これだけ大規模な奨学金が貰えればお金のことで大学への進路を諦めずに済むだろう。
また、注目したいのはMARCH(明治・青山・立教・中央・法政)と言われている難関私立大学の奨学金だ。全国から優秀な人材に来てほしいという意図から、一都三県外の受験生向けの奨学金制度が多いのだが、立教大学の「セントポール奨学金」は逆に、一都三県出身者に向けて手厚い奨学金支援をしている。
同大学を一般入試かセンター試験で受験する受験生のうち、250名を対象に年額で理学部60万、その他の学部は40万を2年目以降も審査が通れば継続して貰える制度なので最長で4年間受給が可能だ。申請の際に、同大学が提示する複数の条件を満たす必要があるが、これは首都圏で難関私立大学を目指したい受験生にとってぜひ知ってほしい制度だ。
その他にも、入学金免除、1年目の学費の減免(半額や全額)など、上記の大学ほどの規模ではないにせよ、入試結果によって何かしらのお金の支援が受けられる入試制度は複数存在する。志望校を受験する際にもう一度、入試要項を確認してみると思わぬ情報が見つかるかもしれない。